残念至極十年前の君へ【イナイレ】 (ページ15)

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13　日本代表イナズマジャパンページ15

少し休憩を挟むと、すぐに並ぶよう指示される。
響木さんの隣に背の高い男性が並んだ。鋭い目付きをした男性で、目があった瞬間気まずさを感じ、俯いた。

「日本代表の監督を発表する」

思わず驚嘆の声が出た。監督は響木さんだと思っていた。
円堂君がみんなの声を代弁するも、響木さんは明確な答えを返してくれなかった。

「では、代表メンバーを発表する。」

運命の瞬間。
多分、今この瞬間私の名前が無ければサッカーを辞める。正直選考試合では活躍という活躍は無かった。そもそも後半しか出ていないから、代表は絶望的。
それでも高望みしてしまう。

「鬼道有人。豪炎寺修也。基山ヒロ＿」

「AA。」
「…ぁはい！」
い、今呼ばれた！嬉しさが顔に出てしまいそうだったが必死に堪え、ゆっくり下を向いた。
選ばれなかった人だって居るのだから感情を面に出すのは失礼だ。あまりの緊張で、最初の人しか聞き取れなかった。

「最後に円堂守。」
最後…円堂君の名前が呼ばれたところで、マネージャー達の表情が変わった。

松野君は＿
ふと彼の方を見ると残念がるような、でももう諦めていたかのようなスッキリした顔をしていた。
…確か彼はあんな愛称で呼ばれていたはずだ。

「マックス君…だったっけ？私、君の分まで頑張るから。」
まるで接点が無い私に伝えられることは多分、このくらいしかない。
それでも彼の分まで私は走らなければならない。

「マックスでいいよ。
　うん。君のトラップ、かっこよかったよ。」
自分の活躍を奪った人にここまで激励のメッセージを送れるなんて、彼は本当に凄い人だと思う。

「ありがとうマックス。」

周りを見回すと代表にならなかった者がマックスと同じように言葉を送っていた。
帝国の佐久間くんは合体技で光る選手だから、この試合には不向きだった。
何故悔恨の感情より激励の感情が大きいんだ。

「今日からお前達は、日本代表イナズマジャパンだ。
　選ばれた者は選ばれなかった者の思いを背負う
　のだ。」
響木さんの言葉が強くのしかかる。
彼の言葉に私は強く返事をして応えた。

「いいか、世界への道は険しいぞ。
　覚悟は良いか。」
「はい！」

監督達の話が終わると思いを込めて円陣を組むことになった。
流石に入りにくいと思っていると、綱海先輩がこっち来いよと木暮君との間に入れてくれた。
一部の人が言葉を発する。
長かった。そう風丸君が話した。