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女神が欲した愛と奪われた地位 ページ46

「あの魔神王(ジーサン)に勘づかれないように気をつけるのよ」

「ああ。…ありがとな、ティア」

「気にしないで。…おやすみなさい、メリオダス」

「ああ。…おやすみ、ティア」

 互いに頬をキスを贈ったメリオダスとエルティアナ。これは、二人にとって寝食と同じくらい普通かつ当たり前のことであった

 ガチャ、と扉が閉まると、優しい笑みで手を振っていたエルティアナは膝から崩れ落ちた

「やっぱり…私じゃダメだったのね……」

 メリオダスと話している間、震える体を必死に押さえつけていた。メリオダスにバレないように、細心の注意を払って最愛の婚約者に(はなむけ)の言葉を贈った

「っ……」

 絨毯の上に座り込んだエルティアナの純白のドレスに我慢していた涙が零れ落ちる。一つ、二つ、三つ…零れ落ちる涙がドレスにシミを作り、消えて行く

「どう、して…っ…私じゃダメ、だった、の……っ」

 歯を食いしばっても我慢できなかった嗚咽が漏れ、エルティアナは両手で顔を覆った

 大切だった。大好きだった。誰よりも、何よりも、メリオダスを見てきた。まだ赤子だったメリオダスとの婚約が定められてから時間が許す限り、メリオダスと共に過ごした。迷惑にならないように、邪魔だと言われないように、ただひたすらにメリオダスという一人の男を見てきた。それでも、メリオダスが選んだのは幼い頃からずっと共に過ごしてきたエルティアナではなく、敵の中心人物とも言える女神族最高神の娘・エリザベスだった

「っ…ぅ…っく……」

 国も友人も家族も喪い、自暴自棄になっていたエルティアナを救ったメリオダスは彼女にとってたった一つの希望であり、生きる意味を与えてくれた存在だった。妃としてメリオダスを支えられたら…そんな想像すらしていた。けれど、もうそんな未来はやってこない。思い描いた未来は所詮理想でしかなく、"未来,,ではないのだと知った

「あぁぁぁぁぁ……!!!」

 防音の結界が張られた部屋に、恋と地位を奪われた女神の慟哭が響いた

目覚めた女神の吐露→←次期魔神王候補の問い



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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます!今読みました。これからも面白い小説頑張ってください!応援してます! (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年7月3日 22時

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