壊れゆく魔王子の願い ページ24
「さぁ、僕の手を取って!!僕なら義姉上を幸せにできる!!兄上のように、義姉上を裏切ることなんてしない!!」
どうしよう……。どうすれば、シリルを元に戻せるの?どうすれば、シリルを苦しませずに済む……?
シリルの攻撃を受け流しながら彼を助ける方法を必死で模索する
「(助けて…僕は義姉上を傷つけたくない……っ)」
「っ……!」
やっぱり…シリルには少しだけどまだ自我がある。でも…シリルを元に戻す方法が分からない……!!
「エルティアナ様!!」
シリルを元に戻すことに囚われ、冷静さを失っていた私を引き戻したのはルイスさんの声だった
「僕の邪魔をするな」
シリルが軽く手を振ると、とてつもない衝撃波がルイスさんに向かう
「ルイスさん……!!」
ズキズキと痛む身体に鞭を打ち、固まっているルイスさんを横抱きにして飛び上がった
「大丈夫?」
「は…はい。ありがとうございます。あの…お嬢様は……」
「…王都よ。アリーとレオン…時の女神と精霊女王の伴侶が行ってくれているわ」
「お嬢様は、無事なのですか……!?」
「体は…ね。マリーさんの心の底にある不信感や不安感を利用されて操られているわ」
「っ…私が、もっと早くにお嬢様をあの
手を握りしめて悔やむルイスさんを殺そうとシリルはルイスさんに刃を振り翳した。ガキンッ、という音と共に結界に阻まれた剣は僅かに火花を散らす
「っ…お願い、シリル……!!元のあなたに、戻って……っ!」
「あね…う…え……」
狂気が宿っていた翠の瞳には、元の柔らかで優しい光が宿っていた
「シリル……」
「ぐっ…ち、がう…っ…僕、は…僕は……っ」
「シリル!!」
「来るな!!」
頭を押さえて苦しみ悶えるシリルに近寄ろうとすると彼自身に止められた
「義姉上…僕を…終わらせて……っ」
泣きそうな笑みの中に苦悶を宿したシリルの言葉に大きく目を見開いた私は、ぐっ、と手を握りしめて俯いた
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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます!今読みました。これからも面白い小説頑張ってください!応援してます! (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年7月3日 22時