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剥がれる面の皮 ページ16

「誰、って…メアリー・フォスターです」

 訝しげに眉を顰めて恐る恐る答えるメアリー嬢。その言動が余計に懐疑心を深める

「違う。君はメアリー嬢じゃない。…正確には、操られたメアリー嬢、ってとこかな?」

「いつから気付いてたんだ?」

「ルーちゃんが出て行く直前」

「時を操る女神様には何でもお見通しって訳か」

「そういうレオンだって気付いてたくせに」

「そりゃあ…な」

 私たちの間でポンポン弾む会話を聞いていたメアリー嬢の顔が愉快そうに歪む

「魂が視える〈霊魂の女神(ラ・ヴィータ)〉様より先にお前たちが気がつくとはな」

「違うよ。ルーちゃんが気付かなかったのは、魂が視えるとかそういう問題じゃない。ルーちゃんはね、警戒心が強くて臆病で滅多に人に信頼しない精霊だから私たちでさえまだ信頼されてないの。でも、一度自分の庇護下に置いた人はこっちが呆れるくらい疑うことをしないの。そりゃ、無意識では疑ってるだろうし、警戒だって解いてないかもしれない。でも、最後の最後までその人を信じているの。だから、きっとメアリー嬢に違和感を持っていても気のせいだと思ってるんじゃないかな。そういうとこ、ポンコツだから」

 何度同じことを繰り返しても信じることを止めることができない、ポンコツでお馬鹿で…呆れるくらいお人好しな人。でも、ルーちゃんは優しい訳ではなくて甘いだけだと私たちは思っている。それは、きっとルーちゃんが患っている病やパーソナリティ障害…つまり、それを発症する原因となった彼女自身の過去…幼い頃の経験や繰り返される辛い出来事に起因している。怖くて怖くて堪らなくて、いつか自分は見捨てられると不安で仕方ないから"強い人で在ろう,,とする

「ルーちゃんとメアリー嬢に何をしようとしているの?ルーちゃんを傷つけるなら許さないし、メアリー嬢もルーちゃんを傷つけることは望まない」

 "〈女神の愛し子〉は双子,,とはよく言ったものだ。顔立ちや雰囲気は全く違っていても元の魂が同じだったせいか、菫嬢とメアリー嬢は根幹がよく似ている

 キッ、とメアリー嬢…否、彼女を操っているフォスター公爵・リカルドを睨むと彼の顔が憎悪に染まった

父の狂愛→←時の女神と霊魂の天使



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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます!今読みました。これからも面白い小説頑張ってください!応援してます! (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年7月3日 22時

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