王女の容態と生きる目的 ページ49
「マーリン！」
リオネス王城内に転移した私はエリザベス王女の部屋の前にいるマーリンを呼んだ
「体調はもう良いのか？」
「うん、もう平気。…誰から聞いたの？」
「菫とメアリーだ。酷く心配していたぞ」
「あちゃー…何かお詫びの品を贈らなきゃ。お菓子作ろうかな。あ、マーリンとホークちゃんも食べる？」
「もちろん！ユーリちゃんの菓子は美味しいからな！」
「頂こう」
「あら…マーリン様にホーク様！それに…ユーリも！」
エリザベス王女の部屋の前で話をしていると妹姫の様子を拝見しに来られたマーガレット王女に呼ばれ、私たちは王女に視線を向ける
「御機嫌よう、マーガレット王女」
「御機嫌よう、ユーリ。すっかり良くなったみたいで良かったわ」
「ご心配をおかけして申し訳ありません」
「良いのよ、気にしないで。あなたは私の妹ですもの。少しくらい、姉として心配させて」
「マーガレット王女……」
あぁ、もう…本当にリオネス王家の皆様は私にはもったいないほど優しい方々だわ
ジーン、と胸が熱くなった私は涙が滲んだ目尻をそっと拭った
「エリザベスの様子はどうですか……？」
「まだ当分の安静が必要でしょうな」
多分…エリザベス王女の他者を労りすぎる気質が王女自身の傷を癒やす妨げになっているのよね。私のように魔力を拒絶している訳ではなさそうだから外部から治癒魔法をかければどうにかなるはず……！
よし、と意気込んで扉をノックしようとした瞬間、脳内に響いた慈しむような声と優しい言葉で手が止まった
「《エリザベス…生きてくれ。お前はオレの生きる目的なんだ。オレの為でもいい。お前に生きていてくれれば、オレはそれで十分なんだ……！！》」
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿……」
メリオダスの叫び。それは、契約者である私に魂を通して伝わった
「ユーリ？どうかしたの？」
「…ごめんなさい。私、少し所用を思い出しました。失礼します……！」
「ユーリちゃん！？」
泣かないように精一杯の笑顔を作った。その笑顔が笑顔として機能してくれればいい。動揺し、傷ついた内心を隠してくれればいい
マーガレット王女・マーリン・ホークちゃんの三人に背を向けた私は目元を手で隠しながら城を出た
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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (
レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます！今読みました。これからも面白い小説頑張ってください！応援してます！ (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アストライアー | 作成日時：2021年7月3日 22時
