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知らないはずなのに、知っている ページ41

「ユーリ!!おい、しっかりしろ!!」

 突然意識を失ったユーリの顔は血の気が引き、青ざめていた。そっと触れた手は氷のように冷たく、何かに必死に耐えるように微かに震えていた

 オレが…またユーリを追い詰めた…っ…ちゃんとユーリのことを見てなかったから……!!

 エリザベスはオレが愛する唯一無二の女で他の何にも変えがたい存在。けれど、ユーリにも似たような感情を抱いている。母のような、姉のような…そんな家族のような存在。見たこともない、存在すらしない母や姉がずっと欲しくて…でも、それを口にすることなんて許されなかった。だから、潜在意識下で姉のように慕っているユーリに甘えた。何をしても許されると無意識に驕っていた。それはきっと、今でも変わらないもので…それがユーリを苦しめている

"メリオダス、エリザベスをちゃんと護るのよ,,

"ティアッ!!!,,

 脳裏を過る、長い黒髪の女。顔立ちはユーリに瓜二つで雰囲気だってよく似ている。知らないはずなのに知っている。会ったこともないのに、何故か寂しげな笑みに心が揺さぶられる。"ティア,,…その名を聞くだけで、鼻の奥がツンと痛む

「メリオダス様、エルティアナ様を王宮へ運びましょう。マーリン様なら何か分かるかもしれません」

「あ…ああ。そうだな」

「ダメよ」

 意識のないユーリを横抱きにし、立ち上がったその時。淡い蒼銀の光と共に部屋に転移してきた白衣姿の女に制止され、オレたちは女の言葉を怪訝に思う

「エルティアナ様の"それ,,は、肉体的なものではないもの。だから、運ぶなら"ウチ,,にいらっしゃい」

「は?」

 何やらよく分からない言葉を放った医者と思しき女は指を鳴らす。瞬間、オレたちは淡い蒼銀の光に包まれ、目を開けると__________……

「…………は?」

 ラベンダーを基調とした落ち着いた色合いの豪奢な家具が並ぶ部屋に転移していた

女神の主治医→←目を逸らしていたこと



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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます!今読みました。これからも面白い小説頑張ってください!応援してます! (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年7月3日 22時

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