最期の別れと従者の出自 ページ37
「！」
シリルの部屋から出て数分後。彼の生命の灯が消えた感覚があり、私はそっと息を吐いた
『ありがとう、義姉上。最期に兄上と話せて良かったです』
魂だけの存在…俗に言う霊体となったシリルは、私の周りを回って消えて行った
「…こちらこそ、よ。ありがとう、シリル」
「…シリル殿がいらっしゃったのですか？私には、光の粒しか見えなかったのですが……」
ふかふかのソファに座っているルイスさんが不思議そうに私を見つめる
「ええ。メリオダス様と会わせてくれてありがとう、って。本当、律儀な子よね」
でも、もうその律儀な子は居ない。新たな生を迎える為に煉獄へ向かってしまったから
「あの…エルティアナ様」
窓枠に腰掛けて外を見ている私を呼んだルイスさんの声は少し強張っていた
「どうかして？」
「…メアリーお嬢様を救って下さってありがとうございます」
深く頭を下げたルイスさんに目を瞬いた私は、自嘲気味に微笑った
「礼は不要よ」
「え？ですが……」
「礼なら国王陛下とエリザベス王女に言いなさい。私は何もしてないわ」
マリーさんを助けると豪語した癖にあっさり洗脳を許すなんて、我ながら考えが浅いわね
「…いいえ。お嬢様は、あなたに救われたと思います。似たような環境で育った、あなたの言葉に」
「…あなたは、どこまで私のことを知っているの？」
「…私は、フォスター公爵の庶子なんです。公爵は、酔いが回った一夜だけ…必死に抵抗する奥方様付の侍女に手を付けられました。その侍女が私の母です。それで…母は奥方様を大変敬愛していたので罪悪感に耐えられず、侍女を辞して市井に戻ったそうです」
「…マリーさんに仕えているのは、メアリー夫人への罪滅ぼし？」
「それもあります。私がお嬢様に誠心誠意お仕えすることで母の罪悪感も少しは薄れてくれるのではないか…と。ですが、それは全体の２割くらい。メアリーお嬢様にお仕えしているのは、私があの御方を支えたいと思ったからです」
「なら、マリーさんがどんな立場になっても彼女を支えられる？」
「はい。地獄の果てまでもお嬢様についていく所存です」
「そう……」
なら、マリーさんに"あの件,,をお願いしてもいいかもしれない。尤も、お願いするのは私ではなくルナだけど
ふぅ、と小さくため息をついた私は不意によく知る気配に気が付き、扉を魔力で開けた
「入っても構いませんよ。＿＿＿＿メリオダス様」
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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (
レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます！今読みました。これからも面白い小説頑張ってください！応援してます！ (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アストライアー | 作成日時：2021年7月3日 22時
