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落ち込む女神 ページ22

「はぁっ…はぁっ…げほっ…がふっ……」

 どうにか瓦礫の下敷きにならずに済んだ私は、片膝をついて咳と共に血を吐く

 さいあく。多分…肋骨が何本か折れてるわね。それから、折れた肋骨が肺に刺さってる。あと、頭も切ってるから血が流れて視界不良だわ。早く処置しないと色々拙いことになるわね

 自分の体を冷静に分析できる辺り、腐っても生命を司る女神なのだと否が応でも認識させられる

 何度か咳き込み、血を吐きながら立ち上がり、自分の体を見下ろすとそれはそれは傷だらけになっていた

「あーあ…せっかくマリーさんにもらった新品の服なのにボロッボロ」

 血がついてる分には『洗濯(ラヴァージュ)』の精霊魔法でどうにかできるから大丈…ん?この服って確か魔法で作られてるわよね?下手に他の精霊魔法かけたら消滅しない?

「だ…大丈夫か?何かあったのか?」

 ズーン、と落ち込んでいる私を見てレオンハルトが控えめに問いかける

「っていうか、なんでそんなに血だらけなの?」

「シリルの攻撃、モロに受けた。そうしたら、マリーさんにもらったプレゼントが……!!」

 涙目で力説するとアルテミスとレオンハルトは若干引いている

「また今度買ってもら________」

「そんなの申し訳ないじゃない!!せっかくフォスター公爵の目を盗んで買ってくれたものだったのに……」

 はぁ、とため息でショックを吐き出して若干立ち直った私は、何やら腕や顔やらに浅い傷を負っているアルテミスとレオンハルトに視線を遣る

「マリーさんは?」

「悪りぃ。逃げられた」

「行き先は分かってる?」

「王都…〈七つの大罪〉がいる所だよ」

 アルテミスに告げられた行き先には、聖騎士含め多数の民がいる。そんな所へ行き、魔力の暴走が起こってしまったら…その被害は計り知れない

「私が行くまで時間稼ぎできる?姿は現しても現さなくてもどっちでもいいから」

「おうよ!」

「ラジャー!」

 ピシッと敬礼したアルテミスの瞳と彼女と共に消えたレオンハルトの瞳は不安と痛みに満ちていた

時の女神と女王の伴侶→←魔王子を助けたい女神



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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます!今読みました。これからも面白い小説頑張ってください!応援してます! (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年7月3日 22時

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