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女神が告げる転生の真実 ページ20

「どうかなさいまして?メリオダス様」

 各々用事があるらしい〈七つの大罪〉・エリザベス王女は部屋を出て行き、残ったのは双子の天使とメリオダス様だけ

「…お前、ケレスの話の時にオレを見て泣きそうになったよな」

「…そうでしたっけ?」

 羊皮紙にサラサラと暗号の答えを記しながら答えるといつもより低い声で名を呼ばれる

「ユーリ」

 ふぅ…と小さくため息をついた私は羽ペンを置いて顔を上げた

「メリオダス様、あなたのお考えは?」

「オレの考え?」

「何か考えがあるからここに残ったのでしょう?」

 メリオダスは、仮にも〈十戒〉統率者として魔神族を率いた身だ。決して頭が良い方ではなく、寧ろ行き当たりばったりな感が否めないことも多いが考えなしの馬鹿ではない

「…変なこと考えてる、って言われてもおかしくねえ話なんだが……」

「結構。どうぞ話して」

「…オレは、ケレスの生まれ変わりなのか?」

 メリオダス様が自信なさげに問うた言葉に双子の天使が動揺する

「どうしてそう思われたのですか?」

「お前がリディアーヌの話をした時、なんとなく懐かしかった。6000年前なんて生まれてねえのに知ってるような気がしたんだ」

 ただの勘。何の確証もない、妄想と思われてもおかしくないもの。けれど、第六感というのは中々侮れない

「…そうだとしたら…あなたはどうしますか?」

 椅子から立ち上がり、窓からリオネス王都を見下ろす。かつて、リディアーヌ様とケレスが統治するはずだった、この地を

「別にどうって訳じゃねえけどさ…変な感じだなって思っただけだ」

 転生なんて馬鹿げている、妄想癖のある人の戯言だ、そう思う人もたくさんいるだろう。けれど、私たちは転生というものがあることを知っている。だからこそ、メリオダス様も私に問うことができたのだろう。馬鹿げている…そう一蹴されないと確信を得ていたから

「…ユーリ、オレはケレスの生まれ変わりなのか?」

 前世の記憶もない、魂だって殆ど新しく造り替えられている。けれど、ケレスの残滓がメリオダス様に疑問を持たせた

「…ええ。あなたはケレスの生まれ変わりですよ、メリオダス様」

 魔神王の第一子でありながらその存在を消された、呪われた王子。それがケレス。メリオダス様の兄にして、彼の前世の姿だ

重ねて見ているだけならこんなに長く愛したりしない→←手紙が告げる波乱の幕開け



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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年10月31日 10時

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