Tu aimeras les gens et tu vivras fierement〈第十五章〉 (ページ14)

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因果応報と願いページ14

「ユーリ…本気でボクたちを殺すつもりなの……？」

　シレーナ王妃が去り、貸し与えられた城の一室に戻ってきた私は〈七つの大罪〉に懐疑的な視線を向けられながらディアンヌの問いに素直に答えた

「必要があれば」

　思ったよりもずっと冷たい声で告げた答えに心が抉られるように痛んだ

「どうして……。ボクたち、友達だよね？」

「ええ、そうね。とても大切な、友達よ」

「なら…どうして……っ」

　泣き出してしまったディアンヌをキング様がそっと支える。思わず撫でてしまいそうになった手をぐっと押さえ、窓からリオネス王国の王都を見下ろす

「私は、常に損をする可能性(リスク)と得をする可能性(リターン)を考えなければいけない立場だわ。だから…本当はあなたたちにこんなに近付いてはいけなかったの」

「どういうことだ……？」

　メリオダス様に問われた私は、手を強く握りしめながら答える

「初めからあなたたちを切り捨てなければならない可能性は十二分にありました。その時にあなたたちが何の悲しみも背負わない為には、私が近づき過ぎないこと。誰とも深い仲にならないこと」

　王は孤独な存在だ。誰かに心を許すだけで綻びが生じ、その綻びが国を滅ぼす可能性を生む。それは、世界を動かす装置である女神も同じこと。決して誰にも心が許さず、ただひたすらに装置として生きる。それが、誰も傷つけずに生きていける方法

「私は…中途半端なの。女神として生きると決めた癖に誰かに愛されたいと願ってしまった。そんなこと、許されるはずもないのに」

　切り捨てられることがどれだけ辛いか身を以て知っている。けれど、私は女王として、女神として、誰かを切り捨てて生きてきた

　あぁ…だから、私は裏切られたのよ。自分が誰かを切り捨て、その度に誰かを傷つけ、苦しめたから。巡り巡ってその報いが自分に返ってきただけ。因果応報だわ……

「ねぇ…一つ、お願いがあるの。聞いてもらってもいいかな？」

「オイラたちには無理難題を押し付ける癖に何を＿＿＿＿＿＿＿！」

　愛する女性(ディアンヌ)を傷つけた女に正当な怒りをぶつけるキング様を制したのはメリオダス様だった

「願い次第だけどな」

「ありがとうございます」

　微笑え。願いを聞いてくれると言ってくれたのだから泣くな

「生きて」

　強張った顔を無理矢理笑顔にし、そう告げると〈七つの大罪〉は顔いっぱいに驚きを見せた