〜看板娘の裡に燻る恐怖〜 ページ36
「っ……!!」
はっ、と目を覚ました私は苦しさを紛らわすように深呼吸を繰り返す
今のは…何?メリオダス様が…怒っていた。肌にビシビシと突き刺さる鋭い殺気を向けて…酷く、怒っていた……?でも、あれは怒っているというより……
「憎悪……?」
憎悪。読んで字の如く、人を憎み嫌うことだ。拾われてから早5年。メリオダス様の憎しみなど…否、憎しみどころか怒っているところすらも一度も見たことがない。そのメリオダス様を、怒らせていた私。メリオダス様は、私にエリザベス王女を殺そうとしたことを問うていた。記憶にはないが、私は11年前、エリザベス王女を殺そうとしたらしい。つまり、先程の夢はその時のもの
「私の、失われた記憶……?」
知らない人から向けられる殺気は全く怖くないのにメリオダス様から向けられる殺気にはとてつもない恐怖を抱く
「怖い……っ」
「_______大丈夫ですか?ユーリ」
「っ!」
突然声をかけられ、反射的に全身で警戒する。一瞬のうちに様々な思考が脳内を駆け巡り、視線を上に遣ると心配そうに私を見つめるエリザベス王女がいた
「ご、ごめんなさい!驚かせてしまいましたか……?」
「い…いえ!少し考え事をしていたせいで気がつくのが遅れた私のせいですから。気になさらないで下さい」
「悪い夢でも見たのですか?酷い汗です。私で良ければ話して下さい」
「ありがとうございます。でも、大丈夫です。それに多分あの夢は私が失った記憶の一部なのだと思います」
「記憶が戻りかけている、ということですか?」
「どうなんでしょう?ただ…記憶の残滓が夢という形を取って私に見せたのかもしれませんし……。それより、何か御用があって私の元へいらしたのでは?」
「明日の朝には白夢の森に着くそうなので体調が良ければ準備していて下さいとメリオダス様が仰っていました」
「白夢の森?」
「はい。もしかしたら、そこに〈七つの大罪〉がいるかもしれないとメリオダス様が……」
「そうですか……。分かりました。わざわざありがとうございます」
「いえ。では、失礼しますね」
にこっ、と微笑んだエリザベス王女は小さく会釈して部屋を出て行った
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鈴 - 名前固定ならそう書いていた方がいいと思います。気にはなりましたが名前固定だと読む気失せる人もいるので。 (3月8日 7時) (レス) id: 8354ac6e82 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 天乃みなさん» 追記です。ユーリという名前にも一応理由があるのでそのようにしています。…いつ明かすかはまだ決まっていませんが (2021年9月29日 20時) (レス) id: 36cb2cfed7 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 天乃みなさん» はい。名前を変えたら私がちょっと分からなくなるので……。ご不快でしたら申し訳ありません (2021年9月29日 20時) (レス) id: 36cb2cfed7 (このIDを非表示/違反報告)
天乃みな(プロフ) - これって名前固定なんですか? (2021年9月29日 20時) (レス) id: ec35f73fd4 (このIDを非表示/違反報告)
yuu11da(プロフ) - オリジナルフラグは取れているでしょうか?もし、宜しければご意見をお聞かせ下さい (2021年5月25日 18時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年5月25日 18時