Tu aimeras les gens et tu vivras fierement

〜私の正体〜 ページ17

「私が…王女？ううん、それよりも…私がエリザベス王女を殺害しようとした？」

　聖騎士見習いさんは確かに私を"エリザベス王女殺害未遂事件の被告人,,と言った。ならば何故、私は己が犯した罪を憶えていないのだろうか？相手が何者であれ、生命を奪うという行為は決して赦されぬ罪であるというのに

「違います！！ユーリは、私を殺そうとはしていません！！」

「どちらでも良いのですよ、エリザベス王女。事実がどうであれ、そこの罪人は王女殺害未遂の被告人。国外追放の判決を受けた罪人がリオネスの土を踏むなど言語道断。王女殺しの大罪人を討ち取ったとあらば、儂は一気に聖騎士になれる」

「ユーリは殺させません！！」

　どうして、エリザベス王女は自分を殺そうとした女を護ろうとするのか。どうして、自分を殺すかもしれない女を"妹,,と呼び大切にしてくれるのか

「それは残念ですな。ならば、最愛の妹と共に果てるが良い！！」

　再び聖騎士見習いさんからとてつもない衝撃波が放たれた。私をギュッと抱きしめるエリザベス王女の体は恐怖からか震えていた

　こんなに怯えているのに誰かを護ろうとするエリザベス王女を見殺しになんてできない。過去の私が王女を殺そうとしたのなら、私はその償いに王女を命に代えても護る

　２〜３秒の間に決意を固めた私は、衝撃波が当たる寸前に王女を抱き抱えて横に飛んだ

「っ！！」

　僅かに躱しきれなかった衝撃波が私の左足のふくらはぎを擦り、真っ赤な鮮血が飛び散る。悲鳴を上げないよう唇を噛み締めた私は、エリザベス王女に覆い被さり、飛来物から王女を護った

〜王女の悲痛な叫び〜→←〜王女の願い〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す