Tu aimeras les gens et tu vivras fierement

〜王女の願い〜 ページ16

「いっ…たた……」

　倒れた拍子に口腔内を切ったのか、血の味がして不快だ

「ありがとうございます、メリオダス様」

「ついでだ、ついで」

「地味に酷いです」

「ホークも無事みてぇだし、いいんじゃね？」

「アレ、無事と言えるのでしょうか？」

　ホークちゃんのお尻辺りには、先が尖った木の枝が刺さっている(ホークちゃん曰く「豚串状態」)。滂沱の涙を流しながらホークママの元へと向かったホークちゃんに一抹の希望を託すが正直薄い。と、様々な思考を巡らせているとエリザベス王女が聖騎士見習いさんに向かって歩き出した

「エリザベス王女、どちらへ？」

「……逃げ切れません」

「お前…諦める訳にはいかねぇって…言ってただろ？」

「…私が大人しく投降すれば、あなたや妹…ユーリの命を無闇には奪わないはずです」

「ユーリ？」

　エリザベス王女の言葉を聞いていた聖騎士見習いさんは、私の名を呟きニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた

「これは儂も運がいい。エリザベス王女の妹でユーリという名であれば"あの方,,しか居まい。11年前、エリザベス王女殺害未遂事件の被告人として"身分剥奪の上、国外追放,,という判決を受けた〈悪魔の王女〉…ユーリ・リオネス元第四王女！！」

「え……？」

　聖騎士見習いさんが高らかに言い放った言葉と正体に思わず大きく目を見開き、言葉を失った

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