Tu aimeras les gens et tu vivras fierement

〜看板娘の怒り〜 ページ28

「クズ共が、よく聞け！！」

　偉そうにしている騎士二人が広場に集まった村人たちに告げる

「日没までに聖騎士様の剣を引き抜かねば＿＿＿＿＿村(バーニャ)に課す取り立てを今までの10倍にする！！」

　水が涸れたままで10倍どころか一本分のバーニャエールも造れない。それを分かっているはずの騎士たちはバカにしたような表情(かお)で村人たちを睨む

「いいか！これは罰だ！！」

「聖騎士様を侮辱しただけに留まらず、大罪人〈七つの大罪〉と〈悪魔の王女〉を友などと宣ったからだ！！」

　何よ…それ。子供の言葉も許せないくらい聖騎士は器が小さいの？それなのに特権だけは享受する？冗談じゃない

「ふざけないでよ……っ！」

　己の中で形容し難い怒りがふつふつと湧き上がる。護るべき民に横暴の限りを尽くす聖騎士にも、聖騎士の部下だからと民を見下す騎士にも、ただ見ているだけの自分にも腹が立って仕方がない

「いい加減にせい！！」

　村長さんの一喝にミードちゃんを責めていた村人たちはビクッと体を揺らす

「儂ら 酒造りの誇りを傷つけたのは誰じゃ？ミードか？違うぞ！！あの子の行為はいつだって、儂らの気持ちの代弁だったのではないか？」

　今まで事態を静観していた村長さんの紛う事なき正論は怒りで我を忘れそうになっていた村人たちの目を覚まさせた

「みんなーっ！！何としても、この剣を引っこ抜くぞ〜！！」

「男共！！命懸けで村を＿＿＿＿＿酒(エール)を守るんだ〜っ！！」

　覚悟を決めた村人の男性たちの声は、暗い雰囲気が流れていた広場に希望を宿した

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