カルマくんのお姫様2 (ページ10)

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58話ページ10

カルマside
殺せんせーの頭上には、原さんと吉田と村松がいた。
吉田と村松は岩場にいるからまだ大丈夫そうだけど、原さんは今にも折れそうな木の枝にしがみついていて、いつ落ちてもおかしくない状況だった。
なるほどねぇ…
殺せんせーは原さん達が気掛かりで上手く力が発揮できない上に、水のせいでだいぶ動きが鈍ってるみたいだね。
…ハンデが多すぎる。
隣にいるAも原さんたちが心配そうにしている。
この状況を打破するには…
「…だからカルマ！テメーが俺を操ってみせろや！」
作戦を考えている最中だった俺は、寺坂の話を全く聞いていなかった。
「その狡猾なオツムで、俺に作戦与えてみろ！カンペキに実行して、あそこにいるのを助けてやらァ！」
「良いけど…実行できんの？俺の作戦…死ぬかもよ。」
いま思いついた作戦を思い浮かべながら、俺は寺坂のシャツのボタンを引きちぎる。
「やってやンよ。こちとら実績持ってる実行犯だぜ。」
寺坂の奴はヤル気みたいだね。

Aside
カルマくんと一緒に流されてしまったみんなのところに向かう。
ほとんどのみんなは殺せんせーに助け出されたけど原さんや吉田くん、村松くんがまだ危険な状況。
3人の下にはイトナくんと戦っている殺せんせー。
心配でたまらないわたしを安心させるように、カルマくんはずっと手を繋いでくれている。
後から追いついてきた寺坂くんがカルマくんの作戦で3人を助けるということに。
作戦を思いついたカルマくんは自信満々の顔。
カルマくんの作戦ならきっと大丈夫。
みんな無事でいますように。
ただそれだけを願った。