カルマくんのお姫様2 (ページ9)

今日:42 hit、昨日:102 hit、合計:54,673 hit

57話ページ9

－翌日－
Aside
殺せんせーは体調が優れないらしく、朝からずっと涙のような鼻水を流していた。
ちょっと気の毒そう。
お昼に登校した寺坂くん。
涙、じゃなくて鼻水が溢れている殺せんせーに迫られる。
寺坂くんはそんな殺せんせーにはお構いなしに暗殺を仕掛けると宣言した。
わたしたちクラスメイトにもその暗殺を手伝えと命令してくる。
寺坂くんは今までみんなの暗殺には協力してこなかった。
それなのに、命令口調で手伝えって言われてもみんないい気はしない。
暗殺の手伝いなんて行かない。
みんなが口をそろえて言う。
「みんな、いきましょうよー」
涙、じゃなくて、鼻水を流しながらみんなを説得している殺せんせー。
どんどん溢れてくる鼻水は教室の床を覆い尽くしてしまった。

カルマside
俺は寺坂なんかの暗殺には協力する気なんかない。
裏山で少し涼んでいることにした。
もちろんAも誘って。
Aはみんなが参加するからって言って参加しようとしてたみたいだけど、俺が無理やり連れてきた。
前みたいに1人にしておきたくなかったから。
Aも素直に一緒についてきてくれた。
突然、プールの方から爆発音が聞こえた。
俺はAの手を引き、走ってプールへと向かう。
「…何コレ？」
プールが、消えてる。
それに、皆の姿がどこにも見当たらない。
「みんなは？なんで？」
状況がわかってないAが不安そうに震えている。
「…俺は…何もしてねぇ。話が違げーよ…イトナを呼んで突き落とすって聞いてたのに…」
あぁ…寺坂、いたんだ…
寺坂が呆然と立ちつくしている。
「…なるほどねぇ…自分で立てた計画じゃなくて、まんまと操られてたってわけ。」
「言っとくが、俺のせいじゃねーぞ。こんな計画やらす方が悪りーんだ。皆が流されてったのも、全部奴等が悪…ッ‼」
俺は言い訳ばかり口にする寺坂を思いっきり殴った。
「流されたのは皆じゃなくて自分じゃん。人のせいにするヒマあったら…自分の頭で何したいか考えたら？」
その場に崩れ落ちた寺坂に俺はそう言い放つ。
「流されたって、どういうこと！みんな、大丈夫…」
流されたって聞いて今にも泣き出しそうなAをギュッと強く抱きしめる。
「大丈夫だよ。そばには殺せんせーがいたんだ。きっとみんな無事だよ。」
「…うん、そうだよね。」
Aの手を強く握りみんなが流された方へと急いで向かった。