95話 ページ47
Aside
殺せんせーの発案で洞窟で肝試しをすることになったわたしたち。
洞窟の中は結構暗くて、カルマくんはずっと手を握ってくれていた。
いつも優しいカルマくんだけど、なんだか考え事をしているような、悩んでいるような、うまく言えないけど、少し様子が違った。
「カルマくん、どうしたの?何かあった?」
カルマくんは一瞬驚いたような表情をしたけど、すぐにいつもの優しい笑顔になった。
「何かっていうか、ちょっと思ったことがあっただけだよ。」
そう言いながら、立ち止まりわたしのことを抱きしめる。
「ちょっと聞いてくれる?俺が思ったこと…」
「もちろんだよ。」
しばらく洞窟を進んでいるとカルマくんはポツリ、ポツリと口を開いた。
「怖くないのが…怖い?」
「そ。あの時の渚くん見てさ…正直、俺 衝撃受けた。」
いつもの飄々とした感じではなく、真面目な顔で話してくれるカルマくん。
確かに、渚くんはすごいなってわたしも本当に思った。
「鷹岡を倒した事じゃない。倒した後だよ。全っ然怖くないんだ。ケンカしたら俺が百パー勝てるけど、殺し屋にとって、そんな勝敗、何の意味もない。怖くないって、実は一番怖いんだなって初めて思った。」
カルマくんはさらに続ける。
「でも、負けないけどね。先生の命を頂くのは、この俺だよ。」
そして、最後にいつもの笑顔でそう言った。
「うん!」
「ところで…肝だめしとか言って、実はくだらねー事たくらんでるみたいなんだけど___」
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作者名:麻倉 真音 | 作成日時:2020年5月5日 23時