カルマくんのお姫様2 (ページ46)

今日:31 hit、昨日:102 hit、合計:54,662 hit

94話ページ46

Aside
「肝だめし？今からですか？」
渚くんの問いかけにわたしを含め、みんなの頭に？が浮かぶ。
海で花火をした後、殺せんせーはわたし達を集めて、なぜか突然、肝だめしをやろうと言い出した。
「ええ、真夏の夜にやる事といったら、これでしょう。」
殺せんせーはというと、やる気満々で準備体操なんかしている。
「殺せんせーが遊びたいだけなんでしょ？」
「君達と違って、先生ずっと殻に閉じこもってましたから！せっかくの南の島なのに！」
カルマくんの言葉に負けじと反論する殺せんせー。
「肝だめし面白そうじゃん！」
「だな！」
殺せんせーの提案に賛成の声をあげる前原くんと磯貝くん。
「えー、でも怖いのやだな～」
倉橋さんはあんまり乗り気ではなさそう。
わたしも怖いの苦手だからちょっとやだな。
「へーきへーき。お化けは殺せんせーだろ。」
「そっかぁ」
杉野くんの言葉に納得の倉橋さん。
なるほど。
殺せんせーがお化けの恰好をしてるのは、そういう事だったのか。
殺せんせーがお化けなら怖くないかも。

肝だめしをする場所は、この島の海底洞窟。
男女でペアを組み、300メートル先の出口を目指す。
ペアは殺せんせーお手製のくじ引きによって決められた。
わたしのペアはカルマくん。
くじを引く時カルマくんとがいいなぁなんて思っていたらその通りに。
殺せんせー、ありがとう。
心の中でガッツポーズをした。

カルマside
殺せんせーが急にやりたいって言った肝試し。
狙いがバレバレなんだよね。
まあ、俺はAと当たり前のようにペアになれたからそれでいいけど。
洞窟の中は結構暗かった。
俺は当然のように彼女の手を握って進む。
「カ、カルマくん…」
恥ずかしがって顔が真っ赤になっているであろうAはものすごくかわいい。
「こんな暗闇で足でも滑らせて怪我したら大変でしょ？だからここから出るまでは離さないから。」
「…うん。」
怪我して欲しくないのも本当だけど、Aの手を握ってそばにいて欲しい気持ちもあった。
渚くんと鷹岡の戦いを見てから俺はずっと考えてたことが頭から離れない。
そんなモヤモヤしたような気持ちを少しでも晴らしたかった。