91話 ページ43
カルマside
「…カルマくん、見て。渚くん…笑ってる。」
Aに言われて渚くんを見ると、確かに笑っていた。
渚くんは微笑みながら鷹岡に歩いて近づいて行き、鷹岡との距離が1mを切りそうなところで、ナイフを空中に置くように捨てて…
そのまま手をパンッと叩いて鳴らした。
渚くんの予想外すぎる行動に、鷹岡は驚いて後ろに大きく反れる。
その隙に渚くんは鷹岡の脇にスタンガンを当てて、電流を流した。
鷹岡がその場に跪く。
俺はその光景に見て息を飲んだ。
「とどめを刺せ、渚。首あたりたっぷり流しゃ、完全に気絶する。」
渚くんは鷹岡の首元にスタンガンを当てる。
そして…
「鷹岡先生、ありがとうございました。」
渚くんはにっこりと微笑みながら、鷹岡の首元に電流を流し、気絶させた。
「よっしゃああ‼」
「元凶(ボス)撃破‼」
みんなから喜びの歓声が上がる。
もちろん、隣にいるAも。
カルマside
鷹岡が外したハシゴを元に戻して、皆で渚くんのいるヘリポートへと向かう。
「やるじゃん。」
「大丈夫か、渚?」
俺に続いて磯貝も心配そうに声をかける。
「…うん。」
「よくやってくれました、渚くん。今回ばかりはどうなるかと思いましたが…安心しました。」
殺せんせーを連れて茅野ちゃんも渚くんの元へ来た。
「…うん。僕は平気だけど…でも…どうしよう…鷹岡先生から奪った分じゃ、足りない。」
爆発してしまった治療薬を見て、みんなからも落胆のため息が聞こえる。
「…とにかくここを脱出する。ヘリを呼んだから、君等は待機だ。俺が毒使いの男を連れて来る。」
烏野先生の指示に従おうとした時だった。
「テメー等に、薬なんぞ必要無ぇ。」
俺達の目の前に…それぞれ拘束したはずの、3人の殺し屋が現れた。
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作者名:麻倉 真音 | 作成日時:2020年5月5日 23時