89話 ページ41
カルマside
俺達が屋上に着くと、鷹岡は自分の立てた暗殺計画について語り出した。
対先生弾がたっぷりと入ったバスタブに、茅野ちゃんを殺せんせーを抱かせた状態で入らせ、その上からセメントで生き埋めにする。
殺せんせーが助かるには茅野ちゃんごと爆発しなきゃいけない。
殺せんせーは生徒を決して見捨てない。
鷹岡の立てた計画は、それを逆手に取った…非人道的な、まるで悪魔のような計画だった。
鷹岡の計画を聞いてショックを受けるAを抱き寄せる。
抱き寄せるとAは少し安心したような表情で俺を見る。
「全員で乗り込んで来たと知った時は肝を冷やしたが、やる事は大して変わらない。おまえらを何人生かすかは俺の機嫌次第だからな。」
「許されると思いますか? そんな真似が。」
鷹岡の言葉を聞いて顔を紫色にしてめちゃくちゃ怒っている殺せんせー。
「落とした評価は結果で返す。受けた屈辱はそれ以上の屈辱で返す。特に、潮田渚。俺の未来を汚したおまえは絶対に許さん‼」
殺せんせーの言葉を聞いて、さらに渚くんへの恨みをぶちまける鷹岡。
「へー。つまり渚くんは、あんたの恨みを晴らすために呼ばれたわけ。その体格差で勝って、本気で嬉しい? 俺ならもっと楽しませてやれるけど?」
俺は鷹岡を挑発するため前へ出る。
正直、ムカついて我慢ができなかった。
「イカレやがって。テメーで作ったルールの中で渚に負けただけだろーが。言っとくけどなぁ、あんときテメーが勝ってようが、負けてようが俺ら、テメーのこと大っ嫌いだからよぉ!」
俺に続いて寺坂も声をあげる。
「ジャリ共の意見なんか聞いてねェ‼」
鷹岡は突然キレて怒鳴り散らした後、渚くんに1人でヘリポートまで来るよう要求した。
「渚。ダメ、行ったら…」
茅野ちゃんに止められる渚くん。
俺ももちろん、クラスみんなが同じ気持ちだ。
「…行きたくないけど…行くよ。」
茅野ちゃんに殺せんせーを預けて渚くんは1人、鷹岡の後に続いて…ヘリポートへと向かった。
113人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麻倉 真音 | 作成日時:2020年5月5日 23時