78話 ページ30
カルマside
まずは俺から仕掛けた。
手に持っていた観葉植物で相手に殴りかかろうと、勢い良く前に飛び出す。
「柔いぬ。もっと良い武器を探すべきだぬ。」
けど、それは簡単に受け止められて、握り潰されてしまった。
「必要ないね。」
そこからは、一進一退の攻防が続いた。
頭蓋骨を握り潰すほどの握力。
一度つかまれたらゲームオーバー。
普通に考えて無理ゲーだけど、立場が逆なだけで、いつもやってんだよね、その無理ゲー。
「すごい…全部避けるか捌いてる。」
「烏間先生の防御テクニックですねぇ。」
避けられるけど、こっちから攻めこんだら捕まるからな〜
俺がそんな事を考えていると、殺し屋のおじさんが突然、ピタッと足を止めた。
「…どうしたぬ? 攻撃しなくては、永久にここを抜けられぬぞぬ。」
「どうかな〜。あんたを引きつけるだけ引きつけといて、そのスキに皆がちょっとずつ抜けるってのもアリかと思って。」
…なーんてね。
「…安心しなよ。そんなコスい事は無しだ。今度は俺から行くからさ。」
「あんたに合わせて正々堂々、素手のタイマンで決着つけるよ。」
「良い顔だぬ、少年戦士よ。おまえとならやれそうぬ。暗殺稼業では味わえぬ、フェアな闘いが。」
それからまた一進一退の攻防が続き、俺はおじさんの太ももに膝蹴りを入れる事に成功した。
おじさんが俺に背中を向けて膝をつく。
チャンス‼
俺はおじさんに向かってダッシュした。
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文字数の関係で次のお話へ行きます。
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作者名:麻倉 真音 | 作成日時:2020年5月5日 23時