75話 ページ27
カルマside
A軽すぎ。
もしかしたら、彼女の命は俺が思っているより短いのかもしれない。
「カルマくん、待って…」
俺の考えが悪い方向に進み始めた時、渚くんの声で我に返る。
「待ってあげたいけど、タイムリミットがあるでしょ。」
「そうだね…行こう!」
タイムリミットもそうだけど、そろそろ俺の背中にしがみついているかわいい彼女も限界が近そうなのでなるべく急いで登る。
「その岩尖ってるよ。」
「え? あ、危なかったぁ…」
Aがそばにいてくれるせいか、俺はおそろしく冷静で周りもよく見えている気がする。
全員が崖を登りきったところで、侵入ルートの最終確認。
律の調べによるとどうやら複雑な構造らしい。
「通用口、ロック解除。」
「行くぞ、時間が無い。」
カルマside
烏間先生を先頭に、犯人の待つホテルへと潜入する。
1階のロビーは予想以上に警備が多かったけど…ビッチ先生の意外な特技のおかげで、全員無事に突破。
Aはというとビッチ先生のピアノの音色に目をキラキラさせていて俺が手を引いていることにも気がつかなかったほどだ。
2階では特に何もなく、俺等はあっという間に3階の中広間までやって来た。
ここで調子に乗った寺坂と吉田が、先を急ごうと走り出す。
その結果…
烏間先生はそこに現れたのは怪しそうなおじさん。
おじさんは烏間先生に向かってガスのようなものを浴びさせる。
不破さんに最初に俺たちにサービスドリンクを配っていた奴だと見破られる。
そしてウイルスの感染源はそのサービスドリンクだということも不破さんの推理によって判明する。
ドリンクなら確かAは飲んでいなかったはず。
竹林からも問題の飲食物を口にしていなければ感染していないとも言われた。
つまり、Aは感染していない。
良かった。
それだけで俺の心は安心できた。
その後敵の退路を塞いだ俺たち。
「敵と遭遇した場合…」
「即座に退路を塞ぎ…」
「連絡を断つ!」
磯貝、片岡さん、寺坂くんが烏間先生からの教えをみんなを代表して言い放つ。
そして烏間先生の活躍で毒物使いのおじさんにはなんとか勝てたものの、烏間先生は身体に麻痺が残り1人で歩く事もままならない状態となってしまった。
「「か、烏間先生!!」」
標的のいる10階までは…まだまだ遠い。
113人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麻倉 真音 | 作成日時:2020年5月5日 23時