73話 ページ25
「星宮さんが感染しているなら彼女はここに立っていられないでしょう。しかし、これから感染しないとは言い切れない。だから安全なところにいてもらうのは最善かもしれない。しかし、きっとそれは彼女自身の本意ではないでしょう。どうですか?星宮さん。あなたの意思で決めていいのですよ。あなたのことですから。」
殺せんせーはいつもの教室での授業の時のように、わたしに問いかけた。
わたしはどうしたいのか。
答えは決まった。
「わたしは…みんなを助けたい。」
崖を前にするとみんなも動揺しているようだった。
それに烏間先生とイリーナ先生は危険過ぎるとまだ悩んでいるようだった。
けど、みんなの心は決まっていた。
磯貝くんを先頭にみんなは崖を登り始める。
みんなの決意を汲み取った烏間先生は号令をかける。
「全員注目!我々の目標は山頂ホテル最上階!隠密潜入から奇襲への連続ミッションだ!ハンドサインや連携については訓練のものをそのまま使う。いつもと違うのはターゲットのみ!3分でマップを叩きこめ。21:50 作戦開始!」
「「おう!」」
みんなにはいつものクライミング。
でもわたしには初めてのことだ。
みんなの後に続いて緊張しながら岩の壁に手を伸ばそうとしたとき…
「待って。」
声をかけたのはカルマくんだった。
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作者名:麻倉 真音 | 作成日時:2020年5月5日 23時