69話 ページ21
Aside
爆発の影響で浜辺には大きな津波。
巻き込まれる!と思った瞬間、誰かに抱きしめられた。
「怪我はないか?」
おそるおそる目を開けるとそこには烏間先生。
烏間先生のおかげで水は少し被ったものの怪我1つない。
「大丈夫です。ありがとうございます。」
沖にいるみんなが心配なので烏間先生、イリーナ先生と共に水上チャペルへと向かう橋へ急ぐ。
「油断するな! 奴には再生能力がある。磯貝くん、片岡さんが中心になって、水面を見張れ!」
「「はい!」」
みんなは無事なようでわたしはカルマくんの姿を一生懸命探す。
その時、茅野さんが何かを発見して、水面を指差した。
クラスみんなが茅野さんが指さした水面に注目する。
次の瞬間、水面から現れたのは、殺せんせーの顔が入った、透明の変な球体。
わたしを含めクラスみんなが唖然としている。
なに、あれ?
「ヌルフフフフフ。これぞ、先生の奥の手中の奥の手。完全防御形態!」
殺せんせーが完全防御形態について説明してくれる。
その間にわたしの元へ来てくれたカルマくん。
「怪我はない!?大丈夫?」
よほど心配してくれたのか、カルマくんはわたしの頭からつま先まで念入りにチェックする。
「大丈夫だよ。カルマくんも怪我はない?」
「俺は平気だよ。Aが無事で良かった。」
わたしの問いに微笑んで応えてくれるカルマくん。
「…良かった。」
お互いの無事を確認したわたしたちは殺せんせーの完全防御形態の説明を聞く。
完全防御形態とはまさに無敵状態の殺せんせーだが、それはずっと続く訳ではなく24時間だけらしい。
身動きは取れないみたいだけど…
寺坂くんが球体となった殺せんせーを怒りに任せてスパナでガンガン叩く。
けど、その球体はビクともしない。
「そっか〜、弱点無いんじゃ打つ手ないねぇ。」
カルマくんが寺坂くんに球体を渡すよう、指で合図を送る。
この時、カルマくんがニヤリと妖しく光ったのをわたしは見逃さなかった。
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作者名:麻倉 真音 | 作成日時:2020年5月5日 23時