64話 ページ16
Aside
今日は答案返却日。
わたしは体調が回復してきたので今日は自宅安静との指示が出たので、家でお留守番。
テストの結果は律を通して知った。
いてもたってもいられなくて思わずカルマくんに電話をかけてしまった。
「…もしもし。」
「あ、あの!カルマくん。あのね、わたしは、カルマくんが好き!大好きだから!」
わたしは一体何を口走っているのかわからなかった。
突然電話して告白している。
緊張して恥ずかしすぎて頭が回っていない。
カルマくんはしばらく黙っていたかと思ったら、それ、ほんと?と確かめてくる。
「もちろん!あのね、ずっとそばにいてくれて本当に嬉しかった。」
「Aの元気そうな声聞けて嬉しいんだけど、俺いますごくカッコ悪いからさ。テストの結果聞いたんでしょ?だから電話かけてきてくれたんでしょ。」
カルマくんの沈んだ声。
やっぱり落ち込んでるんだ。
「カルマくんはわたしにとってヒーローだよ。今までも、そしてこれからも。わたしが辛いときずっとそばにいてくれた。いま、そばにいてあげたかった。」
言葉と共に頬に涙が落ちる。
「…ありがと。じゃいつまでもAのヒーローでいられるように頑張るね。」
声からわかる。
きっとカルマくんはいま笑顔だ。
カルマside
殺せんせーの言葉や大好きな彼女からの電話で悔しくて仕方ないドロドロした感情が浄化されていった。
HRの時間。
殺せんせーが暗殺を始めようと言い出すと…寺坂たちが、家庭科のテストで満点を取った自分達にも触手を破壊する権利がある、と強気に立ち上がった。
確かに殺せんせーは、教科の指定はしていない。
急に慌て始めた殺せんせーを見て、千葉が俺に合図を送る。
「ちょ、ちょっと待って! 家庭科なんて…」
「なんてって…失礼じゃね、殺せんせー? 5教科最強の家庭科さんにさ。」
俺の挑発を皮切りにしてクラス全体が騒ぎ始めた。
結果、触手を破壊できる権利を7本手に入れた。
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作者名:麻倉 真音 | 作成日時:2020年5月5日 23時