カルマくんのお姫様2 (ページ2)

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50話ページ2

Aside
カルマくんがおそらく殺監督からの作戦をみんなに伝えに行く。
「さぁ、試合再開…ですが…こ、この前進守備は！」
さっき野球部がやっていた前進守備を、今度はカルマくんと磯貝くんでやり返した。
「明らかにバッターの集中を乱す位置で守ってるけど、さっきそっちがやった時、審判は何も言わなかった。文句無いよね、理事長？」
カルマくんは挑発するように理事長先生に確認する。
「ご自由に。選ばれた者は守備位置位で心を乱さない。」
「へーえ、言ったね。じゃ、遠慮なく。」
カルマくんは言葉通り磯貝くんとさらに前進する。
「ちっ…近い！前進どころかゼロ距離守備！振れば…バットが当たる距離だ！」
カルマくん！
わたしは思わず目をギュッと瞑り祈るように手を握る。
「そんなに心配するな。あの2人の動体視力はE組でトップクラスだ。おまけに度胸もある。そんな簡単に中学生のバットが当たるはずがない。」
烏間先生の言葉におそるおそる目を開ける。
「気にせず打てよ、スーパースター。ピッチャーの球はジャマしないから。」
カルマくんの言葉と表情を見れば一目瞭然だ。
そうだよね。
カルマくんはすごいんだから。
それに、約束したの。
カルマくんを見てるって。
わたしはまっすぐ彼を見つめる。
「フフ、くだらないハッタリだ。構わず振りなさい進藤くん。骨を砕いても、打撃妨害を取られるのはE組だ。」
進藤くんがバットを振る。
しかし、そのバットをカルマくんと磯貝くんはほとんど動かずにかわしてみせた。

カルマside
俺と磯貝は進藤のバットをほとんど動かずかわしてみせる。
こんなのヨユーだよ。
だって普段もっと早い奴の相手してんだから。
「…だめだよ、そんな遅いスイングじゃ。次はさ、殺すつもりで振ってごらん。」
そう言って俺は…進藤の真ん前に立って挑発をした。
進藤の顔が恐怖で歪む。
そんな進藤が打った球は…俺の目の前でバウンドして、高く上がった。
それを俺は素手で取る。
「渚くん！」
俺が投げたボールを渚くんがキャッチし、そこからそれを三塁の木村、一塁の菅谷へと回していき…見事にトリプルプレーが決まった。
試合は3対2で、E組の勝利で幕を閉じた。
Aの方を見ると他の女子たちと一緒にすごくはしゃいでいる。
まるで自分のことのように喜んでいるAを見て俺も嬉しくなった。