出逢い ページ1
Aは、落ち着かなかった。
父親の仕事の都合でこの村に引っ越して来たAは人と話すのが苦手で、前の村でも友達と呼べる友達が居なかった。
しかしAは、今度こそきちんとした友達を作ろうと考えていた。
その為にAは今、歩きながら村の子ども達にどう挨拶しようか考えていた。
「こんにちは、が一番無難だよね。でも、そんな普通の挨拶で地味って思われないかな？」
気が付くと、小高い丘の上に居た。
Aは目を疑った。
先程まで自分が通っていた道が、炎に包まれ赤々と燃えていた。
「え、嘘・・・」
丘から見下ろした景色は、赤とオレンジと黄、黒だった。
Aの耳に微かに、「これでこの村の制圧は完了だ」と言う兵の声が聞こえていた。
Aは何も言えずに、茫然と立ち尽くした。
「何で・・・。いきなり、こんな・・・」
炎はAの方にも迫っていたが、Aは気付かない。
Aも炎に包まれ黒くなろうとしていた、その時。
「おい、君！」
少年の声と共に、Aは炎から遠ざけられた。
見上げると、青い髪の青年がAの腕をしっかりと握っていた。
「こんな所で何してるんだ、危ないぞ！」
少年はAの腕を引き、炎から程遠い石造りの小屋の中に連れて行かれた。
其処には、八人の少年少女が居た。
各々が浮かない顔をしている。
と、茶髪の美しい少女が、Aに声を掛けた。
「貴女、引っ越して来たばかりの子よね」
Aは無言で頷く。
すると今度は、長い銀髪を靡かせた少女が口を開いた。
「あ〜あ、折角の綺麗なお花が全部燃えちゃったわ」
「お姉ちゃん、それ、関係無いから」
優しい日向色の髪の少女が、銀髪の少女を制した。
「赤き炎に身を躍らせし時、汝闇から光へと誘われん・・・」
緑の短髪の少女が、意味深に何かを呟いたが、誰も反応しなかった。
「あの丘程踊り易い場所は無かったのに」
撫子色の髪の少女が、残念気に呟いた。
「パパもママも、死んじゃったよね・・・」
目に涙を浮かべる金髪の少女を、瓜二つな少年が宥める。
「でもオレ等は生きてる、奇跡だよ」
「・・・」
周りが静まった。
誰も、何も発しない。
その時。
「花の色は〜♪私を穏やかに〜♪佇むだけで〜♪励ましてくれる〜♪そんな花に私もなりたい〜♪」
美しい声音と共に、先程まで一言も発さなかった紫の髪の美少年が口を開いた。
周りは和んだ。
これが、Aの運命を決める新たな出会いだった。
続く
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yuttamu(プロフ) - 済みません (2019年1月19日 14時) (
レス) id: 9fba287036 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう。 (2019年1月18日 22時) (レス) id: b84d7ecc24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuttamu | 作成日時：2019年1月18日 21時
