検索窓
今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:149,247 hit

17 ページ17

あれから1週間が経った。

面会に来るのは業界にまったく縁の無い学生時代からの友人と、マネージャーさんくらい。

精神的な負担が大きいからと、面会が規制されていることをマネージャーさんから聞いたのは5日前。

三代目さんと話をしてほしいと頼まれたのは2日前。

そして今日…三代目さんが訪ねてくる。


「…大丈夫?」

『……こういうのは早くしないといけないじゃないですか』


本当はまだ心の準備なんてできてない。

三代目さんがどんな話を切り出してくるのか、どんな顔をしていればいいのか、何もわからない。

でも、遅かれ早かれくることだから…先延ばしにはしたくない。


「じゃあ、呼んでくるね」


マネージャーさんが立ち上がるのと、ドアがノックされるのはほぼ同時だった。


「…入っても、いいですか」


奥から控えめに聞こえてきたのはNAOTOさんの声。

自然と速くなる私の鼓動。

確認するようなマネージャーさんの視線に、うなづいて覚悟を決める。


「どうぞ」


スライドされた扉の先には、厳つい7人組が揃っていた。


「あの、これ…」


開口一番NAOTOさんが差し出してきたのは、よく見る大きなフルーツバスケット。

NAOTOさん、フルーツバスケット似合うなあ、なんて。

どこかぼんやりと他人事のように見ている私がいる。


「わ、よかったじゃんA。ここに置いとくね」

『は、はい。…ありがとうございます』

「いやー来てくれてありがとうねほんと!」

「い、いえ…体、大丈夫なの?」


初めて聞くNAOTOさんの優しい言葉は、緊張の色を孕んでいた。


『は、はい…っ』


その色が私にも移ってしまったかのように、震える声が情けない。


「そ、っか…」


沈黙。

三代目さんとの沈黙なんてとっくに慣れたと思ってたけど…なかなか堪える。


「………………っごめん!」

『え…?』


沈黙を破ったのは、今市さんだった。


「俺ら、嫌な態度とって…Aちゃんに全部背負い込ませて…」

『や、やめてください!今市さんはそんな…っ』

「隆二、」


土下座でもせんばかりの今市さんを窘めたのは、直己さん。


「それを言うのは俺たちだよ。…Aさん、」

『は、い…』

「ずっと、誤解してた。…いや、Aさんのせいにして自分たちの気持ちを楽にしてただけかもしれない」


拳をつくる直己さんの顔は、罪悪感に満ちていた。

18→←16



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (204 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
482人がお気に入り
設定タグ:三代目JSoulBrothers , EXILETRIBE , 登坂広臣   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

nao(プロフ) - 更新停止になっていてびっくりですT_T悲しいですT_T (2015年10月4日 15時) (レス) id: 2587847f15 (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - すっごく面白いです!更新楽しみに待ってます♪ (2015年10月1日 1時) (レス) id: 7f488f7675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - あゆさん» コメントありがとうございます。主人公と三代目の関係も少しずつ発展していきます。なるべく早く更新できるよう頑張りますので、お付き合いいただけると嬉しいです。 (2015年8月30日 8時) (レス) id: c51140edff (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 三代目fanさん» コメントありがとうございます!主人公と三代目がどうなっていくのか…更新はゆっくりですが、想像しながらお待ちいただけると嬉しいです。 (2015年8月30日 8時) (レス) id: c51140edff (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - おー面白い(≧▽≦)何のタイムリミットなの?気ーにーなーるー!!更新、めっちゃ待ってますよ! (2015年8月29日 22時) (レス) id: 7f78f03745 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆと | 作成日時:2015年5月19日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。