無自覚ガール -Reo.S- ページ9
今日は幼馴染の玲於の家でお泊り。
急なことだったから着替えがなくて、玲於から借りようと思ったんだけど…。
『Tシャツ、どこよ…』
どこに何が置かれてるか全然わかんないけど、勝手に部屋を荒らすわけにもいかないし…肝心の玲於はコンビニに行ってしまって聞けない。
『ま、これでいっか…』
ベッドの傍に積まれていた着替えから手頃なものを持って、お風呂に入る。
着替えは小柄な私には少し大きそうだけど…まあ大丈夫か。
あったかいし、いい感じ。
…と、思ったんだけど。
「……ちょ、」
『えっ、何?おかしかった?』
お風呂から出てきた私を見た玲於はすごい微妙な表情。
呆気にとられたように私を眺めた後、口元を抑えてうつむいてしまった。
『…これ、着たら駄目だった?』
私が借りたのは、クリーム色のタートルネックのニット。
元々少し長めなのか、私が着るとちょうどニットワンピくらいの丈になる。
これなら借りるの1枚だけでいいし、楽だと思ったんだけど…もしかして、すごく高いものだったとか。
ツカツカと近づいてくる玲於の表情は、全然見えない。
『ご、ごめん。着ちゃ駄目なやつだったら着替えて……ひゃ、』
どうしようかと焦っていると、壁を叩く音が耳の真横で聞こえた。
すぐ目の前には玲於、後ろには壁。
これは…今流行りの壁ドン…?
「……Aさ、誘ってんの?」
『な、えっ?ち、違っ』
「それ、1枚でしょ?Tシャツだってあったのに」
『そ、それはどこにあるかわかんなくて仕方なく…』
玲於の顔、少し赤い。
「…………ま、いいけど」
目のやり場に困ってうつむくと、口元がすっぽりタートルネックに埋まる。
全身を至近距離で品定めするような玲於の視線を感じて、頬が熱い。
「Aさ、無防備すぎだから。ちょっとは俺の身にもなって?」
『……ご、ごめん…?』
どうしたらいいのかわからず謝ると、玲於はクスリとひとつ笑った。
「ま、かわいいからいいけど…」
強引に持ち上げられる顎。
正反対に、そっと合わせられる唇。
「…男の部屋で男の服って…”そういうつもり”としか思えないから。…次はないよ?」
『う、うん…』
そう言い残して、今までに見たことがない表情で離れていく玲於。
…まだドキドキしてる。
ただの幼馴染と思っていた玲於の雄の部分が衝撃的すぎて、私はその場にへたり込むことしかできなかった。
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ゆと(プロフ) - りあさん» コメントありがとうございます。大変失礼致しました。修正しました。 (2015年2月11日 17時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - いきなりごめんなさい亜嵐のローマ字表記はALANですよ (2015年2月7日 11時) (レス) id: 601b6c9cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - さんさんめさん» コメントありがとうございます!きゅんきゅんしていただけて安心しました…!更新頑張っていきますのでお付き合いよろしくお願いします。 (2015年1月29日 19時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
さんさんめ - めっさ きゅんきゅんします !! *\(*'ν'*)/* 更新岩張って下さい ! (2015年1月14日 22時) (レス) id: 240a59d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります! (2015年1月9日 21時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆと | 作成日時:2014年11月19日 0時