Piercing -Hayato.K- ページ8
「うわ、また増えてるし…」
呆れたように声を出すのは、GENERATIONSのパフォーマーであり私の彼氏でもある小森隼。
『そ!今度は軟骨に左右合わせて3つ追加したの!どうどう?かわいいでしょ?』
「めっちゃ痛そう…」
『全然!第一、隼だってピアス開けてるじゃん』
「俺は左右ひとつずつだもん」
『もー…かわいいと思ったのに』
ピアスは私のアイデンティティみたいなもの。
Flower兼E-girlsパフォーマーの私は特別美人ってわけでもないから正直これといって目立つポイントもなくて…そんな時に何気無くピアスを開けた。
はじめはみんなにピアスがかわいいと褒められるのが嬉しくて、だんだん増やしているうちにこの有様。
今じゃこの派手な耳元がトレードマークになって、少しずつ名前を覚えてもらえるまでになった。
「かわいくないわけじゃないけどさー」
どこか不満げな隼。
まあ、ピアスが増えていくたびに隼の好みからかけ離れていくからしょうがないけど。
『隼、清楚なほうがいいもんね。ごめんね』
でも私もトレードマークを無くすわけにはいかないし。
…嫌われるかな、流石に。
「…違うよ」
そっと隼の手が私の耳に触れる。
穴を開けたばかりでまだ熱を持っている耳には、隼の手は少し冷たい。
「ピアスまみれでも俺はAのこと好きだし。…ただ、Aが痛いのは嫌だなって思っただけ」
新しい穴を撫でてくるのがくすぐったくて、思わず身をよじる。
『ちょっ、くすぐったいよ隼!』
「あ、ごめん」
『ふふ、大丈夫。心配してくれてありがとね』
「…それ以上開けたら耳なくなってっちゃうしね」
『もー!最後のは余計!』
唇を尖らせて抗議すると、隼は軽くキスをしてきた。
「そんな無理やり個性作んなくても、みんなちゃんとAのこと見てくれるよ」
…ずるい。
茶化してくるくせに、私が悩んでることさらっと言い当てちゃうんだから。
『うん…ありがと』
「どういたしましてー。あ、そうだAにこれあげる!」
そう言って差し出してきたのは、隼がいつもつけてるクロスのピアスの片割れ。
『え、いいの?』
「うん!Aにつけてほしいし」
『…じゃあ私のと交換ね』
右耳につけていた黒のフープピアスを隼に渡し、もらったピアスをつける。
『…隼って意外と独占欲強いね』
つけたばかりのクロスを見せびらかすように揺らすと、隼はそっちこそ、とつぶやいて笑った。
無自覚ガール -Reo.S-→←永遠の約束 -Ryuto.K-
168人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆと(プロフ) - りあさん» コメントありがとうございます。大変失礼致しました。修正しました。 (2015年2月11日 17時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - いきなりごめんなさい亜嵐のローマ字表記はALANですよ (2015年2月7日 11時) (レス) id: 601b6c9cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - さんさんめさん» コメントありがとうございます!きゅんきゅんしていただけて安心しました…!更新頑張っていきますのでお付き合いよろしくお願いします。 (2015年1月29日 19時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
さんさんめ - めっさ きゅんきゅんします !! *\(*'ν'*)/* 更新岩張って下さい ! (2015年1月14日 22時) (レス) id: 240a59d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります! (2015年1月9日 21時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆと | 作成日時:2014年11月19日 0時