Calculated answer -Yuta.N- ページ14
『裕太くん』
「んー?」
『ゆーたくーん』
「んー聞いてる」
生返事しか返してくれない裕太くんに、思わずため息が出る。
ゲームやるのはいいんだけど、せっかく久々に会えたのに…しかも裕太くんの家で二人きりなのに。
なんで毎日会ってるメンバーさんとWi-Fiで通信対戦なんてしちゃうかな。
『…楽しい?』
「ん、めっちゃ楽しい。Aもやる?」
『んーん。私はいいや…』
私だってゲームは好きだけど…。
『…………帰ろっかな』
なんか、虚しくなってきた。
私、結構今日のお泊り楽しみにしてたのに。
「え、泊まってかないん?」
『…いい。だって私がいてもいなくてもたぶん変わんないし』
ひとりだけはしゃいで、なんだか馬鹿みたい。
「…………ごめん、待って」
荷物をまとめていると、後ろから抱きしめられて耳元でそう囁かれた。
「あの…なんか久々だから緊張して。怒らすつもりじゃなかったんだけど」
『怒ってるわけじゃ、ないけど…』
「…ん、ごめん。Aのことほっといて」
…こういうの、ずるい。
見えないけど…裕太くん、絶対今テディベアみたいな顔してるし。
そんなこと言われたら、怒るに怒れないじゃん…。
「…帰んないで」
『ん…じゃあ、泊まってく』
結局いつも負けるのは私のほうだな、なんて苦笑しながら荷物を置いて座り直そうとすると、突然身体がふわりと浮いた。
『な、えっ』
「ちゃんとAの相手、するから」
『え?ちょっ、裕太くん?』
横抱きで私を広いベッドに運んで、そのまま馬乗りになる裕太くん。
いくら私でも、これが意味することはわかる。
『ま、待って!そんないきなり…』
「Aに淋しい思いさせたし、お詫び」
『だってまだお風呂にも入ってないし…っ』
「大丈夫、A綺麗だし」
『そういう問題じゃ…』
言いかけた私に降るキスの雨。
ちょっと、本当に唐突すぎて頭が追いつかない。
『裕太くん、ちょっと落ち着いて…』
「落ち着いてる」
久々に会うしシたかったんだけど恥ずかしくて切り出せなかったから、ゲームして気を紛らわしてただけ。
耳元にそう吹き込まれたら、私にはもう黙ることしかできない。
『裕太くん、本当にずるい』
私が折れるの知ってて、こういうこと言ってるんだから。
へらりと笑う裕太くんに抵抗なんて、するのも無駄。
覚悟を決めて脱力した私に、裕太くんは深く口付けた。
…絶対、絶対。
次こそ勝ってやるんだから。
終わり ログインすれば
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ゆと(プロフ) - りあさん» コメントありがとうございます。大変失礼致しました。修正しました。 (2015年2月11日 17時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - いきなりごめんなさい亜嵐のローマ字表記はALANですよ (2015年2月7日 11時) (レス) id: 601b6c9cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - さんさんめさん» コメントありがとうございます!きゅんきゅんしていただけて安心しました…!更新頑張っていきますのでお付き合いよろしくお願いします。 (2015年1月29日 19時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
さんさんめ - めっさ きゅんきゅんします !! *\(*'ν'*)/* 更新岩張って下さい ! (2015年1月14日 22時) (レス) id: 240a59d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります! (2015年1月9日 21時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆと | 作成日時:2014年11月19日 0時