I Remember -Ryuto.K- ページ11
最近の龍友くんはどこか話しかけづらい。
家に帰ってきても上の空。
紙とペンを持ってブツブツ。
…お仕事、忙しいんだろうなってわかってるんだけど。
でもやっぱり、ちょっとだけさみしい。
『龍友くん？ご飯、できたよ』
「…んー」
『…冷めちゃうよ？』
「ん…食べる…」
私に出来ることは、疲れて帰ってくる龍友くんをあったかい部屋で迎えてあげることだけ。
…無力だなあ。
せめて少しでもお仕事の手助け、できればいいのに。
『今日は龍友くんの好きなパスタにしたんだよ』
「ん、美味しい」
『ふふ、よかった』
それでも、ご飯を食べて微笑んでくれる龍友くんが見れるだけでしあわせだなあって思ってしまう。
「A、ありがと」
『…どうしたの？急に』
「いや？…俺、しあわせだなって思ってさ」
そう言って、くしゃりと破顔する龍友くん。
…おんなじこと思ってたみたいで、なんだかうれしい。
『私も、今すごくしあわせ』
言葉にするとこそばゆくて、龍友くんとふたり、目を見合わせて笑った。
こんなに些細なことでも、しあわせ。
私は無力だけど…龍友くんの夢を叶えるお手伝いが少しはできてるんじゃないか、って思えるから。
「…あ！ちょっと待って、」
食べる手を止めて、龍友くんはまたペンを走らせた。
食べるときくらいゆっくりすればいいのに、なんて…龍友くんのこの生き生きした顔見てたら、なんにも言えない。
「…………よし。…ごめんねA。最近ずっとこんなんで」
申し訳なさそうにフォークを持つ龍友くん。
私なんかのこと、気にかけてくれなくてもいいのに。
『ううん！私、龍友くんが一生懸命なとこ見てるだけでしあわせだから…大丈夫』
がんばって、なんて気軽に言えないから、心配しないでって言う。
それが私の仕事。
「完成したら、Aに一番に教えるから…だから、待ってて」
一番に、なんて…その言葉だけで十分すぎるくらい。
『うん、待ってる』
龍友くんの帰ってくる場所をつくって…なんて、ちょっと恥ずかしくて言えなかったけど。
…伝わってるといいなあ。
そう、頭を撫でる大きな手に少しだけ願いを込めた。
作詞したんだ、なんて言って、ソロで歌った世界でただひとつのデモテープを手渡されるのは…そう遠くない未来。
Devotion -Mandy.S-→←人工空の下で -Alan.S-
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ゆと(プロフ) - りあさん» コメントありがとうございます。大変失礼致しました。修正しました。 (2015年2月11日 17時) (
レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - いきなりごめんなさい亜嵐のローマ字表記はALANですよ (2015年2月7日 11時) (レス) id: 601b6c9cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - さんさんめさん» コメントありがとうございます！きゅんきゅんしていただけて安心しました…！更新頑張っていきますのでお付き合いよろしくお願いします。 (2015年1月29日 19時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
さんさんめ - めっさ きゅんきゅんします !! ＊\(*'ν'*)/＊ 更新岩張って下さい ！ (2015年1月14日 22時) (レス) id: 240a59d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります！ (2015年1月9日 21時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆと | 作成日時：2014年11月19日 0時
