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楽しい時間なんて一瞬で終わるもので、打ち上げも終わりを迎える時間となった。
監督や、主演のAKIRAさんの挨拶も終わって…後はお開き。
そのはずだった。
「SHINO。ちょっと前においで」
挨拶が終わったAKIRAさんが、僕を手招きした。
一気に参加者の視線が僕に集まって、変な汗が吹き出てくる。
「はは、SHINO緊張しすぎ。別にとって食おうってんじゃないんだから」
いや、AKIRAさん笑い事じゃないです。
「じゃ、涼太と玲於。よろしくな」
AKIRAさんはそう言うと僕の背中を軽く叩いて、少し離れていった。
入れ替わるように、玲於と涼太くんが前に出てくる。
…ほんとになんなの。
「SHINO、撮影お疲れさま」
涼太くんが何故か改まってそんなことを言った。
「SHINOはほんとにギリギリに決まった出演で…しかも一般の子だって聞いて。最初はどうなるんだろうって…俺がサポートしなきゃって思ってた」
涼太くんの優しい声が、マイクを通してホールに満ちる。
「でも、そんなのいらないくらいSHINOは完璧で…逆に俺がSHINOに助けられてた。…ありがとう」
『そんなの…』
「それでね、SHINO。涼太くんがSHINOになんかあげたいって言い出して。みんなで考えたんだ。これ、受け取ってくれる？」
玲於に手渡されたのは、2枚のふたつ折りの色紙。
開いてみると、カラフルなペンでびっしりと書き込まれた文字が見えた。
「こっちがキャストからで、こっちがスタッフさんから。ほんとはもっと書きたかったんだけど、あんまり枚数多くなるのも駄目だって思って無理やり2枚に収めたんだよね」
所狭しと並べられた文字は全て僕宛てのメッセージだった。
こんなの、聞いてない。
「誰よりも頑張ってたSHINOに、俺からのサプライズ。…ビックリした？」
涼太くんがいつかのようないたずらっ子の笑みでそう言うと、打ち上げに参加しているみんなから歓声が飛んできた。
「ちょっと涼太くん、”俺たちから”の間違いでしょ」
玲於のそんなツッコミを聞きながら、僕は泣いていた。
駄目だな。
僕、最近涙もろい。
『ありがとう、みんな…』
なんとかそう伝えると、また歓声が飛んだ。
こうして僕の一夏の思い出は、幕を閉じた。
涼太くんにもLINEを教え、これで”こっちの世界で”僕の連絡先を知っている人は4人になった。
せめて、彼らが僕に飽きるまで…この一夏の余韻に浸ることを、許してください。
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ゆと(プロフ) - 片寄画伯さん» 5で明言していますが、主人公は女性です。紛らわしくてすみません…。 (2014年11月26日 23時) (
レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
片寄画伯(プロフ) - 主人公は女ですか？ (2014年11月26日 23時) (レス) id: 85bff416cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» ありがとうございます。短編も長編も頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2014年11月24日 0時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - ゆとさん» あらすじを決めるまでがスランプなんですね、笑 結局、何も分からないとスランプにはなるもんなんですね。笑← 短編も見てます！めっちゃ面白いです。両作品これからも頑張ってください！応援してます。 (2014年11月23日 21時) (レス) id: 7d48793382 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» 他の作者さんの作品もたくさん読みますよ！他の人が書いたもののほうがやっぱり面白いので…笑 私はあらすじを決めるまでに結構悩むので、お話が思いつかないとスランプにもなりますね…。今は短編にも挑戦しているんですが、やっぱり小説を書くのは難しいです。 (2014年11月23日 10時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆと | 作成日時：2014年10月28日 11時
