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「だから、俺はAにやってほしいわけ」
『いや、だからじゃないでしょ。話繋がってないよね？』
「A、中学からずっと演劇してたじゃん。めちゃめちゃ演技上手かったし、男女どっちも演じられるようにって筋トレとかして体絞ってさ」
たしかにずっと演劇をやっていたし、僕は女にしては長身で声がハスキーだったこともあって、男役をやることも少なくなかった。
男役もできるのは嬉しかったし、どうせならちゃんと体をつくろうと筋トレで少し筋肉質になるくらい筋肉もつけた。
筋トレはもはや日課になってしまっていて、いまだに毎日欠かさずやっている。
『それとこれは違うよ。演技するのは大好きだけど…僕はプロじゃない。プロと混ざったら足引っ張るだけだよ』
「そんなことない。Aはできるよ」
『…いくら龍友兄のお願いでも、無理』
正直、ちゃんと演技が出来る機会なんてそうそうないし、やりたい。
しかもいきなりドラマ。
どこぞのシンデレラストーリーでしか聞いたことのないようなシチュエーション。
でも怖い。
僕は素人でむこうはプロ。
世界が違いすぎるし、無名の新人、しかもどこの事務所にも在籍していないともなれば世間からのバッシングも相当だろう。
人気キャストとのキスシーンともなればなおさら。
「性別は共演者にも伝えない。ちゃんとAのことを知ってるのはごく一部の人間だけだよ。事務所もその期間だけLDHに所属ってことになるし、メディアにも出さない」
『でも、』
「A、演技したいんでしょ？大学行ってからA全然楽しそうじゃない。一回だけ、この一回だけでいいからやってほしいんだ。肩書きとかなんにも考えないでドラマの撮影に関われるなんて貴重だよ？それに…」
そこで龍友兄は黙った。
視線を下げてマグカップを包んだ手に少し力を込めている。
何かを言おうか言うまいか、迷ってるみたいだった。
口をまごまごを動かした後、意を決したのかまた僕と視線を合わせて、龍友兄は言った。
『また楽しそうに演技してるA、見たいんだよ』
あの龍友兄が照れながらそんなことを言うなんて。
もう僕には同意するしか選択肢残ってないじゃん。
『…ちゃんと守ってくれるんだよね』
素直にやると言えない捻くれた口が憎らしいけど、そんな僕のことも龍友兄はお見通しで。
「もちろん」
そう言って笑う龍友兄はすごく頼もしかった。
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ゆと(プロフ) - 片寄画伯さん» 5で明言していますが、主人公は女性です。紛らわしくてすみません…。 (2014年11月26日 23時) (
レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
片寄画伯(プロフ) - 主人公は女ですか？ (2014年11月26日 23時) (レス) id: 85bff416cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» ありがとうございます。短編も長編も頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2014年11月24日 0時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - ゆとさん» あらすじを決めるまでがスランプなんですね、笑 結局、何も分からないとスランプにはなるもんなんですね。笑← 短編も見てます！めっちゃ面白いです。両作品これからも頑張ってください！応援してます。 (2014年11月23日 21時) (レス) id: 7d48793382 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» 他の作者さんの作品もたくさん読みますよ！他の人が書いたもののほうがやっぱり面白いので…笑 私はあらすじを決めるまでに結構悩むので、お話が思いつかないとスランプにもなりますね…。今は短編にも挑戦しているんですが、やっぱり小説を書くのは難しいです。 (2014年11月23日 10時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆと | 作成日時：2014年10月28日 11時
