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「SHINO、やっぱりやめちゃうんだ」
ポツリと涼太くんがそうこぼす。
…もう、最後なんだからしんみりするのやめてよ。
『当たり前でしょ。僕なんてただの大学生だし、元の生活に戻るだけだよ』
「…そっか」
「SHINOが決めたなら、俺はそれでいいと思う。意外と頑固だしね、SHINO」
自分から元の生活に戻ることを選んだのに、僕を肯定する玲於の言葉で胸が痛んだ。
やっぱり引き止めて欲しい、なんて…我儘だな、僕。
「ま、SHINOがどうしようと俺たちが友達なのは変わんないしね」
『え…？』
「SHINO、どうせ打ち上げが終わったら俺たちとも連絡とらないつもりだったでしょ？甘いよ。そんなのバレバレだから」
戸惑う僕に、玲於はしたり顔で続ける。
「そんなことだろうと思って、隼からSHINOのLINEのアカウント教えてもらったんだよね」
『…あの野郎』
隼、絶対許さない。
「SHINOはさ、俺たちと自分を線引きしすぎなんじゃないかな。俺たちだって特別な人間ってわけじゃないし」
『…涼太くんはわかってないね。みんなは特別。僕とは住む世界が違うんだよ』
「じゃあSHINOは俺たちの特別だから、特別の特別だね？」
『…あのね、』
「SHINO」
反論しようとすると涼太くんに真っ直ぐ見つめられ、思わず固まった。
「あんまり俺の特別を悪く言うと怒るよ」
声を聞いただけでざわりと全身に鳥肌がたって、涼太くんが本気なのがわかった。
…怖い。
「ちょっと涼太くん、怖い」
「え？あ…ごめん」
玲於がフォローしてくれたけど、僕の口は固まったまま。
「ほら、SHINO固まってるし」
「ごめん…」
「今日は打ち上げなんだから、楽しくいかなきゃ。ね、SHINO」
『…うん』
「あ、料理取りにいこ！俺からあげ食べたい」
玲於に腕を引かれて、そのままついていく。
涼太くんはついてこなかった。
…怒らせたかな、やっぱり。
最後かもしれないのに、ケンカ別れなんてやだな。
お世話になったスタッフさんたちやキャストのみんなと話をしたり写真を撮ったりしていても、頭の中では涼太くんに言われたことばかりを考えてしまう。
『特別の特別、か…』
思わず小さく口に出してしまった。
そんなの、今まで生きてきて言われたことなんかない。
そもそも、誰かの特別になったことがあるかどうかも怪しい。
…この友情だけは残したいって気持ちは、”A”のものだといいな。
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ゆと(プロフ) - 片寄画伯さん» 5で明言していますが、主人公は女性です。紛らわしくてすみません…。 (2014年11月26日 23時) (
レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
片寄画伯(プロフ) - 主人公は女ですか？ (2014年11月26日 23時) (レス) id: 85bff416cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» ありがとうございます。短編も長編も頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2014年11月24日 0時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - ゆとさん» あらすじを決めるまでがスランプなんですね、笑 結局、何も分からないとスランプにはなるもんなんですね。笑← 短編も見てます！めっちゃ面白いです。両作品これからも頑張ってください！応援してます。 (2014年11月23日 21時) (レス) id: 7d48793382 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» 他の作者さんの作品もたくさん読みますよ！他の人が書いたもののほうがやっぱり面白いので…笑 私はあらすじを決めるまでに結構悩むので、お話が思いつかないとスランプにもなりますね…。今は短編にも挑戦しているんですが、やっぱり小説を書くのは難しいです。 (2014年11月23日 10時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆと | 作成日時：2014年10月28日 11時
