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近くのコンビニで下着だけ調達し、隼の服を借りてシャワーを済ませた。
着てみるとやっぱり、体格の違いを思い知らされる。
みんなシャワーから上がると、自然と話題はGTOに。
「んーでもやっぱりスッキリしない!KTとか律のこといじめてきたのに懲らしめてないし!」
「懲らしめるって…子どもかよ」
『今週は同性間の恋愛と差別ってのがメインテーマで来週がいじめだからね…懲らしめるのはもうちょっと待って隼』
お怒りの隼をなだめる僕と玲於。
なんかこの構図、新しい。
「ねえ、SHINOはさ…桐谷と外崎、どうなったんだと思う?」
「…結局、いい方向でまとまったんだろうけど優と律の関係がどうなったかはこっち任せだもんね」
玲於がそっと話題を変えると、隼も乗ってきた。
やっぱりみんな、それ考えるよね。
『んー…僕は、桐谷が外崎を受け入れてあげたんじゃないかなって思う。気持ちに応えるかどうかは別として、桐谷が同性の自分に対して恋心を持った外崎って存在を受け入れてあげたことで、外崎も気が晴れたっていうか…そもそも、こんなことにならなかったら外崎は桐谷に気持ちを伝えてなかったんじゃないかな』
思春期は心の発育段階だから、同性を恋愛対象としてみることは珍しいことではない。
そんなことを、前に本で読んだ。
世の中、特に日本は”普通”であることを強く望むけれど、同性を好きになるのは珍しいことでも病気でもない。
自分の気持ちと向き合って、これからどうしていくか考えることが大事。
たしか、その本はそんな内容で締めくくられていたはず。
「そっか…俺も、そうだったらいいなって思う」
「うん、俺も…」
しまった、少ししんみりしてしまった。
『ねえ、僕の演技、大丈夫だった?』
静かになるのが嫌でまた別の話題を振ると、玲於が笑った。
「SHINO、隼の反応見たでしょ。SHINOの演技で泣いてた。それが答えじゃん」
「そーだよ!SHINOの演技、ほんとに感動したもん!」
『あはは、ありがと』
「……ねえ。ほんとに、GTOだけでやめちゃうの?演技。俺、もっとSHINOの演技見たい。気づいてないかもしれないけど、カメラが回ってる時のSHINO、すごい生き生きしてるんだよ?」
真面目な、そしてどこかさみしそうな顔でそう聞いてくる玲於に、僕は曖昧に笑うことしかできなかった。
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ゆと(プロフ) - 片寄画伯さん» 5で明言していますが、主人公は女性です。紛らわしくてすみません…。 (2014年11月26日 23時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
片寄画伯(プロフ) - 主人公は女ですか? (2014年11月26日 23時) (レス) id: 85bff416cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» ありがとうございます。短編も長編も頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2014年11月24日 0時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - ゆとさん» あらすじを決めるまでがスランプなんですね、笑 結局、何も分からないとスランプにはなるもんなんですね。笑← 短編も見てます!めっちゃ面白いです。両作品これからも頑張ってください!応援してます。 (2014年11月23日 21時) (レス) id: 7d48793382 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» 他の作者さんの作品もたくさん読みますよ!他の人が書いたもののほうがやっぱり面白いので…笑 私はあらすじを決めるまでに結構悩むので、お話が思いつかないとスランプにもなりますね…。今は短編にも挑戦しているんですが、やっぱり小説を書くのは難しいです。 (2014年11月23日 10時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆと | 作成日時:2014年10月28日 11時