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『…もう、帰ってください』
「お前、なんかあったんだろ。話せ」
『…嫌です。”これ”も単なる気まぐれです。学校には行きますから、放っておいてください』
「でもな…」
『〜〜〜〜言ったって！先生にはどうにもできないんですよッ！』
そう叫ぶと、外崎は鬼塚を無理やり部屋から押し出して、鍵をかけた。
頬には涙の後がくっきりと浮かび上がっていた。
＊
「SHINO〜〜〜〜！」
『はいはい。隼まだ終わってないから。まだ早いから』
「相変わらずだけど隼は涙もろすぎだよ…」
CMのたびに騒ぐ隼。
この調子で最後までみたらどうなるんだ…。
＊
「お前ら、外崎のこと何か知ってんだろ。話せ」
鬼塚の静かな怒りが教室を満たす。
ビリビリした空気に、今まで騒いでいた生徒たちも静まりかえった。
「…桐谷に聞けば？」
「…加奈子、そう言うお前が話せ。何か知ってるんだろ」
「何って、ねえ？」
「ねえ？」
加奈子は後ろを向いて、智美と一緒におちょくるように笑った。
「外崎くん、生徒手帳に盗撮写真いれるくらい桐谷のこと好きだったみたいだから、フられてショックだったんじゃない？」
見せびらかすように生徒手帳をひらつかせる加奈子の手から、鬼塚はそれを奪い取った。
「…お前ら、好きになるのが異性じゃなきゃいけないって、誰が決めたんだ？法律で決まってんのか？」
「せんせー、普通は異性しかそういう対象にはならないと思いまーす」
怒りをあらわにする鬼塚に、遊沢が茶々をいれた。
「じゃあ聞くけどな、普通ってなんだ？普通普通って言うけどな、誰がその普通を決めてんだ？」
「それは…」
まっすぐな鬼塚の目線に気圧されて、遊沢が口を噤む。
「お前ら、友達でもなんでも人を好きになる時、いちいち性別考えてるか？…相手をひとりの人間として好きになるんじゃないのか？」
鬼塚は淡々と教壇からメッセージを伝えていく。
「ひとりの人間として相手を好きになった時、それがたまたま恋愛感情で、相手が自分と同性だった。それだけじゃねえのか」
生徒たちはいまや、鬼塚の話に聞き入っていた。
「…桐谷、お前は俺と来い」
「え…ちょっ」
鬼塚は生徒たちを一瞥すると、桐谷の腕と荷物を抱えて教室を出て行った。
自身のバイクの後ろに桐谷を乗せ、向かうは外崎律の自宅。
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ゆと(プロフ) - 片寄画伯さん» 5で明言していますが、主人公は女性です。紛らわしくてすみません…。 (2014年11月26日 23時) (
レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
片寄画伯(プロフ) - 主人公は女ですか？ (2014年11月26日 23時) (レス) id: 85bff416cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» ありがとうございます。短編も長編も頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2014年11月24日 0時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - ゆとさん» あらすじを決めるまでがスランプなんですね、笑 結局、何も分からないとスランプにはなるもんなんですね。笑← 短編も見てます！めっちゃ面白いです。両作品これからも頑張ってください！応援してます。 (2014年11月23日 21時) (レス) id: 7d48793382 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» 他の作者さんの作品もたくさん読みますよ！他の人が書いたもののほうがやっぱり面白いので…笑 私はあらすじを決めるまでに結構悩むので、お話が思いつかないとスランプにもなりますね…。今は短編にも挑戦しているんですが、やっぱり小説を書くのは難しいです。 (2014年11月23日 10時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆと | 作成日時：2014年10月28日 11時
