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隼に助けられたとはいえ、もちろん緊張はする。
朝一番に重要なシーン。
キス、しかもする本人たちの意思で動くわけじゃないから、キャスト同士の息が合わなければ成功しない。
その後の撮影で僕の気持ちが入りやすいようにと予定を変更して先にこのシーンを撮ることになったため、現場入りした時から空気が張り詰めていた。
僕と片寄さんの頭を押して無理やりキスさせることになっている遊沢亮斗役の荒井敦史さんと森野真役の新里宏太さんは、より入念に動きの確認をしている。
『はー…』
それを半ば放心しつつ眺める僕。
なんか、ここにきて一気に現実味がないというか。
「大丈夫？」
そう声をかけてきた片寄さんも、いつもより余裕のなさそうな顔をしていて。
『片寄さんこそ』
「俺はまあ…緊張、してるけどさ…」
『僕、全然現実味ないんでまだ平気です』
「それ一番まずいパターンだよ…」
片寄さんとぼんやり話をしていると、荒井さんに呼ばれた。
実際に動いてみたいから練習に付き合ってほしいらしい。
なるべく失敗できないし、こっちとしては助かる申し出。
でも、フリとはいえ片寄さんの顔がものすごく近くにくるわけで。
(うわー…顔ちっさ…目でっか…)
いつだったか、誰かが言っていた”涼太くんって王子系だよね”という言葉を思い出す。
(これはモテるわ…)
「…？」
そんなことを思っていると、思いの外まじまじと観察していたようで片寄さんがこてんと首を傾げた。
(あざとい…)
「どうかした？」
『いや？…イケメンは羨ましいなって思って見てただけです』
「…SHINOさんだって。キレイ系っていうか…独特な雰囲気あるし、中性的でかっこいいと思うけど」
『うん、お世辞でも嬉しいです。ありがとうございます』
わりと近い距離でお互いに観察しあって批評しあう。
普段なら撮影の直前、しかもこんな大事なシーンの練習中に片寄さんがこんな話に乗るはずない。
(ほんとに緊張してるんだな…)
僕と同じで無駄なこと考えて少し気を紛らわさないとやってられないくらいには。
そう考えると、片寄さんにも親近感わくかも。
『片寄さん、気乗りしないとは思いますけど…キスの時は僕を女の子と思えばいいんですよ。ちょっとは気が紛れます…たぶん』
LINEで隼に言われたことをふと思い出して片寄さんに伝えると、片寄さんは本当に困ったように笑った。
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ゆと(プロフ) - 片寄画伯さん» 5で明言していますが、主人公は女性です。紛らわしくてすみません…。 (2014年11月26日 23時) (
レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
片寄画伯(プロフ) - 主人公は女ですか？ (2014年11月26日 23時) (レス) id: 85bff416cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» ありがとうございます。短編も長編も頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2014年11月24日 0時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - ゆとさん» あらすじを決めるまでがスランプなんですね、笑 結局、何も分からないとスランプにはなるもんなんですね。笑← 短編も見てます！めっちゃ面白いです。両作品これからも頑張ってください！応援してます。 (2014年11月23日 21時) (レス) id: 7d48793382 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» 他の作者さんの作品もたくさん読みますよ！他の人が書いたもののほうがやっぱり面白いので…笑 私はあらすじを決めるまでに結構悩むので、お話が思いつかないとスランプにもなりますね…。今は短編にも挑戦しているんですが、やっぱり小説を書くのは難しいです。 (2014年11月23日 10時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆと | 作成日時：2014年10月28日 11時
