7日目.幽霊 ページ25
○
シロツメクサの王冠を上手に作る君に聞いた。
「ねぇ、律。この王冠の作り方、誰に教わったの?」
誰に教わったの、なんて。わざとそんな風に
聞いてしまった自分が馬鹿馬鹿しくて。
こうやって君を試すような真似をしている
自分が、どうしようもなく情けなくて。
○
……本当に眠ってしまうとは。
目の前ですうすうと眠る少年に催眠を
かけたのは自分だったが、あまりにも
簡単に成功してしまったため、ぎょっと
した。
頬や瞼、鼻筋なんかに当たる夕日の光
が、彼の顔を美しく照らす。
もともとこの子が美形であるからかは
わからないけど、なんだかこの景色は
神聖なものみたいに感じた。
「えーっと……何から教えたらいいのかな。」
私は五円玉を手にしたまま順序に悩む。
私が彼に催眠をかけた理由は二つ。
一つは、今まで有耶無耶にしてきたことを
ちゃんと話すため。私が律に近づいた本当
の理由とか、私の正体とかを教えるのだ。
二つ目は、……律と出会って七日目になる
今日をもって私のことを忘れてもらうため。
「まずは、私の名前から教えようと思います。
私の名前は町田A。」
これ以上、君に迷惑をかけたくないと
思ってしまったのだ。
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見毛 - すごい丁寧に書かれていてお話も面白い…とても面白いです…!律くんかっこいいなぁ…更新楽しみにしています (2019年4月2日 3時) (レス) id: fc0f2493d3 (このIDを非表示/違反報告)
ロイちゃん(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!更新頑張ってくださいっ!! (2016年11月22日 6時) (レス) id: 0dbc3b26b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2016年10月23日 17時