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3日目.幽霊の立場 ページ12

さっそく、僕らはエクボに事情の説明を始める。



この幽霊は自分の名前がわからず、
身元が不明であること。


そのせいで悪霊化する可能性があること。


10日の間、話し相手と称して僕と幽霊は
一緒にいる約束をしていること。


それから、どのくらい成仏せずにいたら
危険であるのかをエクボに質問した。




「そうだな。これはあくまで俺様の見解だが、
このままいたら嬢ちゃんは成仏できねぇだろな。」


「……理由は?」


「そりゃ未練があるからだ。その未練が何なのか
は俺様の分かったことじゃねぇが、それが解消
されるか、もしくは諦めが付くまで成仏は難しい
んじゃねぇのか?」




エクボの的確な助言に幽霊も共感したように
頷いた。


未練か。

それは10日間僕と一緒に過ごすことで解消
されるような、容易いものなのだろうか。




「まぁ問題は嬢ちゃん次第ってとこだな。悪霊化
する危険性だって十分にある。ただそれも本人の
言動によるだろう。それに……」




エクボは発言の途中で幽霊の方を鋭く見た。


その視線に、彼女もビクリと肩を震わせる。



ギクリとした表情からは、何かを見透かされ
ているような罰の悪い状況が伺える。





「自分の名前がわからねぇってことに関して
は、心配いらねぇと思うぜ。なぁ、嬢ちゃん?」


「……。」


「エクボ、それは一体…」


「とにかく、だ。本当に問題を解決したいなら、
律にはわりぃが、俺様と嬢ちゃん二人だけの方が
何かと話しやすいな。嬢ちゃんにも幽霊の立場って
のがあるわけだ。律には聞かれたくないこともある
んだろうよ。」




その時はまた話を聞いてやってもいいぜ、嬢ちゃん。

そう言ってエクボは誇らしげに胸を張った。



幽霊には幽霊の立場、か。
霊感があるというのもなかなか面倒なものだ。


そう考えると、長年超能力と付き合ってきた
兄さんは本当に偉大だ。




「まぁ、今日はこのへんにしとこうぜ。」




エクボのその一言で、僕らは解散となった。

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見毛 - すごい丁寧に書かれていてお話も面白い…とても面白いです…!律くんかっこいいなぁ…更新楽しみにしています (2019年4月2日 3時) (レス) id: fc0f2493d3 (このIDを非表示/違反報告)
ロイちゃん(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!更新頑張ってくださいっ!! (2016年11月22日 6時) (レス) id: 0dbc3b26b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2016年10月23日 17時

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