検索窓
今日:23 hit、昨日:74 hit、合計:392,374 hit

015 ページ15

*




優斗「 ご馳走様 」

『 ご馳走様でした 』









食べた後の食器も
私が手にする前に優斗が手にした 。









『 自分でやるのに … 』

優斗「 それより先にお風呂入れば?」

『 優斗 、入ったの?』

優斗「 まだだよ 」












遅くなった私の為にご飯も料理してくれてた優斗 。





せめて洗い物だけでも私がしようと思いキッチンへ
行こうとしたのにお風呂に入ることを勧められる 。









『 優斗が先でいいよ 』

優斗「 いや 、俺は先に入って欲しいんだけど?」









バスタオルを棚から出してきて渡してくる 。











優斗「 Aの匂いじゃないから気分が悪いんだ 」

『 え?』

優斗「 気付いて無いの?他の男の匂いがする 」









そう言う優斗の目はあまりに冷酷で
私の体は固まったようにその場で動けなくなった 。









優斗「 … 借りたコートと同じ匂いだね?」









バスタオルを手に立ち尽くした私の横を通り過ぎ
優斗は洗い物を始める 。












優斗「 ほら 、温まっておいでよ 」

『 … ありがとう 』











動けなくなってしまった私だったけど
今の優斗の言葉で逃げるようにお風呂に入った 。









『 …… 怒ってたな 』








湯船に浸かりながら考える 。








自分では気付かなかったけど
他の男の匂いかー …





優斗の知らない男の人からコートを借りて
ましてや香りを纏って帰って来る彼女なんて …
そりゃあ嫌だよね 。



逆に優斗が私の知らない女性の香りを纏って ……
って絶対に嫌だ 。









『 謝ろう … 私が悪い 』








充分温まった体にバスタオルを巻いて
脱衣所で気づく 。




下着も着替えも持って来るのを忘れた 、と 。







『 どうしよう 』









優斗にまだ謝ってないのに
持って来て貰うのはちょっと気が引けた 。






仕方ないからタオルドライした髪を先に
ドライヤーで乾かして

バスタオルを巻いたまま脱衣所を出た 。









リビングに優斗の姿は無くて
ちょっと安心する 。








部屋に入ってクローゼットを開けると
後ろから伸びてきた手 。









『 わっ!』

優斗「 驚かせてごめん 」









その手は当たり前に優斗で
後ろから抱きしめてくる 。






まだバスタオルを巻いただけの私 、


いつもに増して胸がドキドキと音を立てているのが
よくわかった 。




*

016→←014



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (891 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1573人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

えとら(プロフ) - 最後まで読んで「タイトルにもそんな意味が!」と思わず拍手しました(笑)メールの返信タイトルぽかったから深い!初恋に執着していたゆうぴの粘り勝ち...面白かったです! (2019年2月16日 12時) (レス) id: 885f62da6a (このIDを非表示/違反報告)
高 橋 り な(プロフ) - 今まで見てきた中で一番面白かったです!! (2019年2月15日 20時) (レス) id: 0c9dbd34fa (このIDを非表示/違反報告)
あー - なんとなくわかっちゃったんですが、スリル満点で、すごく面白いです笑更新頑張ってください! (2019年1月12日 2時) (レス) id: 5bbf37ae17 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - 初めてコメントします!続きが気になって何回も読み返してます(笑)また更新されるのを楽しみに待っています! (2019年1月5日 2時) (レス) id: 6e06a15030 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるるん | 作成日時:2018年10月2日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。