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*
優斗「 ご馳走様 」
『 ご馳走様でした 』
食べた後の食器も
私が手にする前に優斗が手にした 。
『 自分でやるのに … 』
優斗「 それより先にお風呂入れば?」
『 優斗 、入ったの?』
優斗「 まだだよ 」
遅くなった私の為にご飯も料理してくれてた優斗 。
せめて洗い物だけでも私がしようと思いキッチンへ
行こうとしたのにお風呂に入ることを勧められる 。
『 優斗が先でいいよ 』
優斗「 いや 、俺は先に入って欲しいんだけど?」
バスタオルを棚から出してきて渡してくる 。
優斗「 Aの匂いじゃないから気分が悪いんだ 」
『 え?』
優斗「 気付いて無いの?他の男の匂いがする 」
そう言う優斗の目はあまりに冷酷で
私の体は固まったようにその場で動けなくなった 。
優斗「 … 借りたコートと同じ匂いだね?」
バスタオルを手に立ち尽くした私の横を通り過ぎ
優斗は洗い物を始める 。
優斗「 ほら 、温まっておいでよ 」
『 … ありがとう 』
動けなくなってしまった私だったけど
今の優斗の言葉で逃げるようにお風呂に入った 。
『 …… 怒ってたな 』
湯船に浸かりながら考える 。
自分では気付かなかったけど
他の男の匂いかー …
優斗の知らない男の人からコートを借りて
ましてや香りを纏って帰って来る彼女なんて …
そりゃあ嫌だよね 。
逆に優斗が私の知らない女性の香りを纏って ……
って絶対に嫌だ 。
『 謝ろう … 私が悪い 』
充分温まった体にバスタオルを巻いて
脱衣所で気づく 。
下着も着替えも持って来るのを忘れた 、と 。
『 どうしよう 』
優斗にまだ謝ってないのに
持って来て貰うのはちょっと気が引けた 。
仕方ないからタオルドライした髪を先に
ドライヤーで乾かして
バスタオルを巻いたまま脱衣所を出た 。
リビングに優斗の姿は無くて
ちょっと安心する 。
部屋に入ってクローゼットを開けると
後ろから伸びてきた手 。
『 わっ!』
優斗「 驚かせてごめん 」
その手は当たり前に優斗で
後ろから抱きしめてくる 。
まだバスタオルを巻いただけの私 、
いつもに増して胸がドキドキと音を立てているのが
よくわかった 。
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えとら(プロフ) - 最後まで読んで「タイトルにもそんな意味が!」と思わず拍手しました(笑)メールの返信タイトルぽかったから深い!初恋に執着していたゆうぴの粘り勝ち...面白かったです! (2019年2月16日 12時) (レス) id: 885f62da6a (このIDを非表示/違反報告)
高 橋 り な(プロフ) - 今まで見てきた中で一番面白かったです!! (2019年2月15日 20時) (レス) id: 0c9dbd34fa (このIDを非表示/違反報告)
あー - なんとなくわかっちゃったんですが、スリル満点で、すごく面白いです笑更新頑張ってください! (2019年1月12日 2時) (レス) id: 5bbf37ae17 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - 初めてコメントします!続きが気になって何回も読み返してます(笑)また更新されるのを楽しみに待っています! (2019年1月5日 2時) (レス) id: 6e06a15030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるるん | 作成日時:2018年10月2日 8時