《セラフィリア〜九十九精神科の愉快な日常〜》

【第5話〜大名行列死人は門番〜】 ページ10

神『遊星〜ユーゴが迷子った』
星『可笑しいな…静那達が付いて行ったはずだが?』
神『それが,何かの弾みで別れたらしいのよ.探すの手伝って』
星『解った.すぐ其方へ向かう』

ｶﾞﾁｬﾘ

それにしても妙だ

妖狐の血を持つ二人が居ながら,ユーゴだけが二人と離れてしまうなんて…
あの二人の能力は「結界式空間操術」いわゆる結界を生み出すことによって空間を操る能力だ

もし,目立たぬように結界を使っていたらユーゴもあの結界から出られないはず…

もしくは,使わない状態で何かあったのだろうか?
そう考えながら,ユーゴの気配の途切れた場所に着いた

寂れた涼しげな路地だった

…この場所には見覚えがあった

昔,この先のトンネルの先で…

星｢神螺!!｣
神｢遊星,ちゃんと来てくれたね｣
星｢所で,例の気配の途切れた場所は此処なのか?｣
神｢うん.でもね…｣
星｢如何したんだ?｣
神｢この先は軽い異次元でね,もし,4人がこの辺に来たとして,同じ場所に居てもかなり離れた場所に居ると思うの｣
星｢つまり…どういう事だ?｣
神｢多分,4人はこのトンネルの先の逢魔が時に閉ざされた回廊に居ると思うの｣
星｢行ったことがあるのか?｣
神｢一回だけね…彼処にはマズいのが4体出てくるから…｣

自分達も出られなくなっては拙いと思い,エンマから渡されていた式神を標にし,僕らはトンネルの先へ足を踏み入れた

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