《セラフィリア～九十九精神科の愉快な日常～》 (ページ2)

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【序章～神螺がやって来た日～】ページ2

それは,遊馬と天馬が出会って間もない頃の事だった

?｢天馬!遊馬!｣

聞き慣れた声に振り返ると,神螺の姿が見えた

遊馬side

懐かしい声
明るげなそれに安心感を覚え,振り返った

振り返った先に居たのは,確かに神螺だった
だが,あまりにも変わり果てた姿だった

生気の無い白い肌
深緑の羽織に灰色の着物
紅と白の一対の大鎌

何もかもが今までと違っていて恐ろしさも感じる

遊｢神、螺…なのか?｣
神｢…遊馬…御免ね…｣
遊｢えっ…｣
神｢僕ね…高校までは何とか大丈夫だったんだ…でもね,理解してくれない奴らに殺されちゃった…｣

神｢遊馬みたいに信じて優しくしてくれれば良かったのに…何で…こうなっちゃったんだろうね｣

神｢あんなにｯ…天馬達と励ましてくれたのにｯ…｣

遊｢神螺…｣

更に話を聞くと,神螺は死後現在,“死神”として死期を知らせて連れて行く役目を担っているらしい

涙でボロボロの神螺の横で天馬は辛そうな顔をして神螺を抱きしめた
そんな姿を見て,蚊の鳴くような声で神螺が言った

神｢遊馬,天馬,僕みたいな人をもう出したくない…一緒に精神科を開かないか?｣

あの頃と同じ,優しくとも決意を宿した緑の目と合った

遊｢そうだな!苦しんでいる奴らを助けてやろうぜ!!な,天馬!!｣
天｢うん!!やっていこう!!｣

この出会いが九十九精神科,始まりの物語