空が水色なのは 【オリジナル】

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子供連れの母親が多い公園で、僕の存在は浮いていた。


それでもかまわず女性のもとへ行く。


近くで見ると、より似ているように思う。


だが、不思議なのは年をとっていないことだ。


出会ったのは十年程前のはず。


やはり人違いか？


「あら？私の顔に、なにかついてる？」


じっと見つめ過ぎたか、女性は僕に問う。


僕は答えた。


「知り合いに似てたので。失礼しました」


「ちょっと待って。
うーん……あ、九年前の五月二十四日……この公園で会ったわね」


ふわっとした笑みを見せた。


……驚くしかなかった。


まさか、本当にこの人なのか？


日にちは覚えていないが


確かに女性と出会った日は過ごしやすい気候だった気がする。


「いや……冗談、ですよね。
若すぎませんか……？約十年経っているのに」


「まあ、嬉しい」


疑問は綺麗にかわされた。


いや、僕は引きこもりだけど人が年を取るという知識くらい備えている。


僕が知らない間に不老の薬が出来たとかいうミラクルがないとこの容姿はおかしい。


「それよりも、隣、座らない？」


「……はい」


「ふふっ、これで話しがしやすいわね」


……この人は、不思議な魅力を持っている。

５→←３

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