22.破った約束 ページ22
「……そんなことがあったんだね」
シェーンは浅く呼吸を繰り返し、涙を袖で拭う。
メルビオはそんなシェーンに「ハーブティーでも淹れるよ」と気を使う。
「あれ？ハーブティーの缶が切れてる」
ちらりとシェーンを見ると、息苦しそうに心臓を抑えている。
レインのことで心を痛めているシェーンに、せめて暖かい飲み物で安らいで欲しい。
まだ雨は止まない。
マザーの言いつけで雨の日は外に出てはいけないが、今日ぐらいは許して。
メルビオは傘を手にこっそりと孤児院を出た。
「ありがとう、おばさん」
ハーブティーの缶を買い終わり、店を出ようとした時だ。
「ねえ、君」
「はい？」
店内にいた青年が声をかけてきた。
「君、ベートリック孤児院の子？」
見れば十八、九ほどの好青年が笑顔で立っていた。
「……いえ、違います」
シェーンのもう一つの言いつけで、外でベートリック孤児院の子であることを言わないこととある。
メルビオは否定し、すぐに店を出た。
「なんだったんだろう、さっきの人」
傘をくるくると回しながら雨を弾く。
シェーンとの約束を破ってしまったが、雨の日の外出は久しぶりで少し浮かれていた。
「待ちなよ」
手を掴まれ、傘が水たまりに落ちる。
激しくなった雨が肌を強く打ち付けた。
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阿須波(プロフ) - 夕汰郎さん» そうでしたか (2016年6月15日 20時) (
レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
夕汰郎(プロフ) - 阿須波さん» はい、そういった意味合いももたせています！ (2016年6月15日 20時) (レス) id: 5a60bf5501 (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - 『雨が降る』って意味でしょうか? (2016年6月15日 19時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
夕汰郎(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» ありがとうございます！そのレインさんのことは知らないのですがアウトなキャラクターは大好きですo(^▽^)o (2016年6月15日 19時) (レス) id: 5a60bf5501 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - 上手いです...！自分も「レイン」というキャラクターを知っているのですが、『いろいろ』アウトな点は似てる...かな...？と思いましたw (2016年6月15日 18時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕汰郎 | 作成日時：2016年4月1日 22時
