気まずい2人 (ページ2)

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まぁ、関係が進展することなく経過したわけだけど。

…あ、1つだけ変わったことがあった。

顔は見せてくれるようになった。

『…着きました』

『ああ、ありがとう』

移動用のバス乗り場に着いたから、

車をおりて、荷物を入れたトランクへ向かう。

花田さんもバタバタ降りてきて、

トランク前に来た。

『に、…荷物、運びます…!』

『いや、…自分で持てるので、大丈夫です』

『あ、…』

…ちょっと今の言い方冷たかったか…？

とか、俺もそれなりに気を遣わないといけないから

2人だとちょっと疲れてしまう。

…まぁ。花田さんも気疲れしてるだろうけど。

ていうか、一平さんも一平さんだ。

お互い気まずい感じだって伝えてあるし、

何なら花田さんが俺を苦手なのなんて

1番わかってるだろうに

2人にするなんて、可哀想だとかないんかよ。

ふとバスの近くに見慣れた立ち姿。

……一平さんだ。

何が遅れるだ、俺らより早いじゃん。

「…おお、何その顔」

『何が遅れるだよ、早いじゃん』

「たまたま用事が予定より早く終わったんだよ。」

『絶対うそ。俺ら2人にしたかっただけでしょ』

「…まぁ仲は良くなって欲しいよね？」

『良くないだけで仲は悪くないです』

そう、仲"悪く"はない。

良くないだけ。

俺はあんまり人に興味無いから、

自分の人間関係も

好きか、そうじゃないかって人しかいないし。

…絶対に関わらないといけない人だから

気を使ってしまうだけで、

嫌いとかそういうのは無い。

"どうでもいい人"じゃないから苦手。

『でもこれから2人でってこともあるだろうし、慣れてよ』

『花田さんに言ってよ』

『ま、頑張って歩みよるようには言ってあるから』

『俺が怖いみたいじゃん？!』

『でかいからね』

花田さんは人見知りだと最初に一平さんが言ってたけど

多分だけど、人というよりは

俺が苦手なのだと思う。

その証拠に、バスに乗った今

チームメイトとは笑って話をしている。

…俺にだけ、ぎこちなく愛想笑いをして

俺との間に。壁数枚を挟んだような対応をする。

はぁ～～……俺がなんかしたかなぁなんて

頬杖着いて見慣れてきた景色を

バスの窓から眺める。

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