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新聞部2 ページ47

軽口を叩きながら
話をして大分落ち着いてきた

それでも時折襲う悲しさに
じわりと涙が滲む
笑顔が作れるまではまだかかりそうで

A「うん。そうする」

腕に抱く猫のぬいぐるみを抱きしめて
部室の長椅子にパタンと倒れ込む

愛美「あぁ、例の調べ事。終わったからテーブルの上に置いてある。後で目通しといてね」

それだけ言って愛美は部室を出ていく
パタパタと足音が遠ざかるのを確認して
テーブルの上の資料を確認する

A「あぁ、これ」

中に入っていたのは
Aの下駄箱に入っていた熱烈なラブレター
もとい脅迫状だ
三ツ谷と仲良くなってからというもの
文章系の手紙やメッセージカードは
ありがたく頂いている

わざわざ個人を特定する事のできる
筆跡を送ってくれるとはご苦労な事だ

見覚えのある文字の手紙もチラホラと見られたが
殆どは知らない文字の手紙ばかり

その時校内新聞の一角に
生徒のコラムが掲載されているのを思い出した
確かあれは授業の一環で
全校生徒が定期的に書かされているものだ

だから全校生徒の筆跡が集まる新聞部の愛美に
筆跡鑑定をお願いしたのだが...
報告資料には筆跡鑑定の結果以外に
その人物がどんな人で
どの女子グループに所属しているかまで記されている

調べ事が趣味と言うだけあって徹底した仕事ぶりだ

手紙の持ち主が誰か分かれば
後は自分で調べるつもりだったが
既に今すぐ使えるレベルの情報が揃っていて

流石は『情報が全ての戦を制す』と
豪語するだけはある

A「持つべきものは優秀な友人ね...」

とりあえず今は何もやる気が起きず
ぬいぐるみを抱きしめて
また長椅子に横になる

そのまま泣き疲れてAは意識を手放した





ーーーーーーーーーーーーー

朝...
いつもならそろそろAが来てもいい時間

いつものように台所で朝食を準備しつつ
ソワソワとした様子で待つ

だが
待てども家のインターホンは鳴らない

来ないかもしれないと予想はしていた

仕方なく久々に妹達を起こしに行けば
寝ぼけ眼な2人は開口一番

マナ・ルナ「...Aちゃんは?」

三ツ谷「ぁー、今日はにーちゃんな」

ルナ「...ゃだ。Aちゃんじゃないならまだ寝る」

マナ「ヤー。まだ寝るもん」

三ツ谷「こーら、学校遅刻するから起きろ」

グズグズとわがままを言うルナとマナを
何とか起こして朝食を食べさせる

いつも以上に甘えん坊な妹達は
微妙な変化に不安を感じたのかもしれない

三ツ谷side→←新聞部



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くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
- 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇‍♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらら | 作成日時:2022年5月30日 3時

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