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告白の行方 ページ44

A「ねぇ、三ツ谷君。大事な話があるんだけど」

Aを家の前でバイクから下ろし
帰ろうとしている三ツ谷の背中を呼び止める

不思議そうに振り向いた三ツ谷は
何時になく真剣な様子のAに
何かを察した様に眉間に皺を寄せた

三ツ谷「なんだよ、あらたまって。らしくねーな」

A「なによ、私らしさって。そーじゃなくて、私…伝えなくちゃならないことがあって…」

三ツ谷「A待てよ。それ以上言うな」

Aが話したい内容が分かっているのか
三ツ谷は難しそうな顔をして途中で話を遮った

初めての告白に緊張していたAは
その途端スっと血の気が引くのを感じる
だけど心臓だけは嫌な予感で
ドキドキと暴れ回っていた

A「…なんで。私の気持ち…気付いてるくせに…」

察しの良い三ツ谷君なら
私の気持ちになんてすぐに気付いたはずなのに
告白もさせてくれないなんて…

想いを伝えることさえ許されなかった事が
悲しくてしょうがない

だけど同時に怒りも湧いてきた

好きじゃないなら優しくなんてして欲しくなかった
もしかしたら…なんて期待させて欲しくなかった

拒絶されるくらいなら
潔くフッてくれた方が良かった!!!

溢れる涙が頬を伝う
だがそんな事はお構いなしに
Aは胸の内を吐き出した

A「酷いよ!‎好きじゃないなら優しくしないで!!告白すらさせて貰えないなんて!!!そんなの…!!」

ダメと心では分かっているはずなのに
1度口から出てしまったら歯止めが聞かなくて
三ツ谷君を責めるような言葉ばかりが出てしまう

三ツ谷「A!止めろって!」

Aの言葉を遮るように
三ツ谷が声を荒らげたと同時に
Aは自宅アパートのブロック塀に押し付けられた
そして口は三ツ谷の手のひらで塞がれる

拒絶したのは三ツ谷のはずなのに
辛そうに声を絞り出す三ツ谷を
Aは理解出来きそうもなかった

三ツ谷「なんで…なんで終わらそうとすんだよ…。今のままじゃいけねーの?」

しばし無言で見つめ合う2人

先に動いたのはAで三ツ谷の拘束を振り払う
軽く身動ぎすれば苦労もなく解けた拘束に
本気で拘束するつもりはなかったのだろうと分かる

A「三ツ谷君のバカ…」

顔を見る勇気もなく
Aは借りていたメットを三ツ谷に押し付け
そのまま自宅アパートの中に駆け込む

そのまま玄関に崩れ落ち
顔を覆った手の隙間からこぼれ落ちた水滴が
床を濡らすのも気にせず嗚咽を漏らした

告白の行方2→←集会後の歓談3



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くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
- 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇‍♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらら | 作成日時:2022年5月30日 3時

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