裏切り3 ページ6
さすがゲン…
メンタリストとして有能なゲンの言葉には
心を揺り動かされそうになる
何よりも縋ってしまいたい
甘美な誘惑を払い除けるかのように
摘み取った青い花をグシャッと握り潰す
そして立ちあがたAは
表情を失った顔でゲンを見つめ
懐から透明な瓶に入った透明な液体を取り出した
ゲン｢えっと…Aちゃん？｣
A｢ゲン…。答えはノーよ。これは千空のラボから拝借してきたの。追いかけて来たらこの瓶を足元で割る。動かないで｣
ゲンがAの脅しに驚き
冷静な判断力を鈍らせた一瞬で
Aは木々の間に身を隠し
そのままその場を後にする
瓶の中身が何なのか
Aは知らなかった
だからこそ何かのハッタリに使えると思った
ハッタリをゲンに使うのは勇気がいったが
千空なら劇薬ぐらい持っているだろうし
何の薬か分からないからこそ手を出せないだろう
加えてAの脅しは本気だった
中身は分からないが逃げられないなら
瓶を本気で割るつもりだった
その本気を感じとったからこそゲンは躊躇した
断片的な情報が多ければ多いほど
さまざまな可能性の憶測に脳を使う
そして使えば使うほど次の行動に出遅れる
もちろん何も考えない単細胞には効果はないが
相手の仕草や声の抑揚、表情や性格等
人一倍些細な変化を見ているゲンだからこそ
一瞬の隙を産めたと言える
A｢と言っても…本当に一瞬しか勝負にならないんだけど｣
あの人と真っ向勝負なんて…
勝てるわけないものね
逃げきれたと判断して落ち着いたところで
さっき握りつぶした青い花を
まだ持っていた事にふと気づく
どうせなら投げつけてやれば良かった…
いや、裏切っておいて
この花を投げつけるのは流石に卑怯か…
冷静にそんな事を考えていると気づかないうちに
ポロポロと頬を水滴が伝う
それが涙だと気づくのに時間はかからなかった
涙を拭くやる気も起きなくて
流れるままに涙を零す
そして落ちていく涙と一緒に
自分の思いを捨て去るように
Aは握っていた花を手放した
ーーーーーーーーーーー
お得意の隠密行動をしていたスイカは
涙を流しながら立ち去るAを見ていた
Aが立ち去った後
何とも言えない気持ちで
Aが捨てて行った花を拾い上げる
Aは石神村じゃなくって
悪い奴らを選んだんだよ…？！でも、あれ…？
なんであんなに辛そうなんだよ…？
スイカ｢スイカは…スイカはやっぱりAが悪い奴とは思えないんだよ！｣
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くらら(プロフ) - cocoさん» コメントありがとうございます。久々に更新しますので今しばらくお待ちください (11月12日 3時) (
レス) id: 1c45d362d0 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新 楽しみ に 待ってます… ！ 応援しております (11月8日 17時) (レス) id: b5d2aa4ac1 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 甘党さん» ありがとうございます。期待に応えられれば良いのですが (2022年8月19日 23時) (レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - はじめまして！一気に読ませて頂きました、他とは違ったとっても面白い展開になっているので更新とても楽しみです！頑張って下さい!! (2022年8月19日 22時) (レス) id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらら | 作成日時：2022年5月26日 3時
