司帝国での生活 ページ46
午前中の仕事を終え、食事をしながら休憩する肉体労働者の面々
もちろん人が集まれば自然と会話が弾むのはどの時代も変わらない
午後の仕事から食事の味、今後のメニューや休日の過ごし方、過ぎ去ってしまった過去の話、朝見た植物の種類など、大小さまざまな話題が飛び交う
でも不思議と未来の話についてはあまり話題にはならない
まあ仕方ないよねえ
憶測の話しかできないから不安にもなるし
でもだからこそ憶測を出ない噂話で大衆を先導することが出来るんだよねえ
ニヤっと笑った男はさっそく話の中心に入っていく
ゲン「は〜い、皆お疲れ様〜」
男1「なんだ、ゲン。何しに来た?」
男2「お前本当にちいせえなあ。ちゃんと食ってんのか?」
男3「そんな怪我するなんて情けねぇなあ」
ゲン「やだなぁ。やめてよ。俺なんかが皆みたいに筋肉ムキムキになれる訳ないでしょ〜。この世界じゃちょっと頭が回るだけのヒョロガリより、皆みたいな人達が頼りなんだからさぁ」
ガハガハと大口を明け笑う男たちはおだてられてまんざらでもない様子だ
ゲン「でもさあ、なつかしくなっちゃうよねえ。あの便利な時代をさあ。テレビにゲーム、映画に漫画、酒にタバコに女にギャンブル」
男達「…」
ゲン「ああ、でも今の方が仕事は楽だよねえ。司ちゃんのお陰で皆安全も保証されてるし、平和だよねえ」
男1「ああ!司さんはすげーぜ」
男2「この時代を生きられるのは司さんだけだ!」
男3「どこまでもついて行こーぜ」
そうだそうだと声を上げ団結力を深める面々をニヤっとしたゲンが見つめる
やっぱりそうだよねえ
司ちゃんのカリスマ性は流石だよ
誰も疑わず司ちゃんだけを信じてる
でももし他に選択肢が出てきた時、君らは今のように団結してられるかなぁ
今日の話が頭を過ぎるんじゃない?便利だった時代の事がさぁ
その時君らはどうするのかねえ
盛り上がる面々を置いて、ゲンはその場をひっそりと後にした
ーーーーーーーーー
羽京「やあ、ゲン」
声をかけてきた相手が誰が分かった瞬間緊張が走る
しかし悟られないよういつも通りの軽薄さを装い振り返る
ゲン「あれぇ?羽京ちゃんじゃない。どうしたの?」
羽京「いや、ただの見回りだよ。そしたらこっちから賑やかな声が聞こえたから一応ね。ゲンは何を?」
ゲン「大きな仕事を終えたあとの休暇を満喫中〜。皆と話してたら盛り上がっちゃってさぁ」
羽京「確かに。団結力が強まったみたいだね。でもそれだけで済むかな?」
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くらら(プロフ) - 星さん» ありがとうございます。コメント嬉しいです (2021年5月1日 9時) (レス) id: 10bc412026 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです!更新頑張って下さい! (2021年5月1日 7時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 風音さん» ありがとうございます。なかなか旅に出ないし進みが悪くてすみません。更新頑張ります (2021年3月3日 13時) (レス) id: 10bc412026 (このIDを非表示/違反報告)
風音(プロフ) - 関係性といいストーリーといい好きです!評価,お気に入り登録しました!更新頑張ってくださいね!応援してます! (2021年3月3日 7時) (レス) id: 1d82dd420f (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 緋刃さん» ありがとうございます。なかなか更新が進まなくてすみません。今後もよろしくお願いします (2021年2月12日 3時) (レス) id: 10bc412026 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらら | 作成日時:2020年9月24日 3時